ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ゲルハルト・タシュナー(1952)
CD(MDG 642 1113-2)

1.フォルトナー/ヴァイオリン協奏曲
2.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
       (カデンツァ:クライスラー)

  ゲルハルト・タシュナー(ヴァイオリン)
  ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮(1)
  サー・ゲオルグ・ショルティ指揮(2)
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 1949年12月18日(1)
      1952年3月24日(2)
        (モノラル録音)

 ゲルハルト・タシュナーは1922年生まれのドイツのヴァイオリニスト。1941年〜1945年にベルリン・フィルのコンサートマスターをつとめていました。
 フォルトナーのヴァイオリン協奏曲はベルリン・フィルを退任後にフルトヴェングラーと共演した貴重な録音です。作品は1946年に作曲され、翌年に初演されています。戦後の作品ですが現代作品のような過激な響きではなく20世紀前半の作品のように感じられます。シェーンベルクの影響を受けているようですが、この協奏曲はプロコフィエフのようにロマン的でもあります。
 ベートーヴェンの協奏曲はショルティとの共演です。ショルティの引き出す弦楽の厚みが素晴らしい。タシュナーのヴァイオリンは繊細できれいなソロで始まります。なんともしなやかでむしろ女性的といえるほど美しい響きのヴァイオリンで、クライスラーのカデンツァが大変きれいに響きます。第3楽章は力みのない素晴らしい演奏です。オーケストラの厚い響きはさすがです。第2主題できかせるポルタメントは絶妙、カデンツァも見事な演奏です。


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