ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ジノ・フランチェスカッティ(1952)
CD(DISCUNTUS 189.602−2)

ミトロプーロス/ベートーヴェン超名演集
1.ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
    (カデンツァ:クライスラー)
2.交響曲第2番ニ長調Op36

 ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)(1)
   ディミトリ・ミトロプーロス指揮
    ニューヨーク・フィルハーモニック(1&2)
    1952年10月26日ライヴ録音(1)
    1950年1月22日録音(2)

 ミトロプーロスがニューヨーク・フィルの首席指揮者だった時の演奏会ライヴ録音です。ヴァイオリン協奏曲は大変爽やかな印象を受ける演奏です。ヴァイオリンがみずみずしい響きを出しています。フランチェスカッティのボウイングの絶妙なことに耳を奪われます。絶頂期の演奏といえましょう。ポルタメントもきれいです。ミトロプロースの音楽作りに頭が下がります。他では聞かれない絶妙な響きがあります。カデンツァも絶品です。フランチェスカッティの演奏の中でも最高の演奏でしょう。輝きに満ちた演奏です。第2楽章もエレガントな演奏です。きれいなビヴラートとポルタメントがたまりません。第3楽章の直前のカデンツァも聞き物。第3楽章の演奏はオーケストラも燃えているようで、絶妙なアンサンブルです。ヴァイオリンとの素晴らしい対話になっています。カデンツァも完璧で、神々しい響きになっています。
 交響曲第2番は2年ほど前の録音でヴァイオリン協奏曲よりも音質が落ちますが、聞こえる音楽は凄いです。第1楽章の序奏がこれほど奥深い音楽だったとは驚きです。主部に入ってもこの曲の魅力あふれる演奏です。ヴァイオリンのフレーズに強弱をつけてはっとさせる演奏は聴いたことがありません。第2楽章の優美なメロディに感動します。抑揚をつけてフレーズに命を与えており、このような演奏があったとは驚きの連続です。第3楽章においても盛り上げ方は絶妙です。音楽に勢いがあります。第4楽章が素晴らしい。かつて聞いた中でもダントツ凄い演奏です。これは「素晴らしい」を越えて凄すぎます。テンポ設定、楽譜の読みが素晴らしくベートーヴェンの第2番をここまで傑作に仕上げた指揮者はいないでしょう。ミトロプーロスの最高傑作のひとつに入るでしょう。超名演です。興奮させられました。


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