惑星の演奏

小澤 征爾/ボストン交響楽団(1979)
CD(DECCA UCCP-7002)

ホルスト/組曲「惑星」Op32
 1.火星(6:38) 2.金星(7:47)
 3.水星(4:02) 4.木星(7:56)
 5.土星(8:38) 6.天王星(5:36)
 7.海王星(8:00)

  小澤 征爾指揮
   ボストン交響楽団
   ニューイングランド音楽院合唱団(7)
  録音 1979年12月3&10日
     ボストン、シンフォニー・ホール

 小澤征爾がボストン交響楽団を指揮した「惑星」です。
 「火星」は管楽器のうまさが光る迫力のある演奏です。管と弦の厚みのある演奏が見事です。中間部のうねり、管楽器と弦楽の絡み、クライマックスの金管の強奏は迫力あります。パーカッションの響きも見事です。コーダの迫力は素晴らしいです。
 「金星」はホルンで始まります。透明感あるホルンが素晴らしい響きです。木管とハープも良い響きです。ヴァイオリン・ソロからの弦楽の美しさも見事です。オーボエのソロ、チェロのソロも良い響きです。そしてハープとホルンの美しい響きは際立っています。大変美しいアダージョです。
 「水星」はスケルツォ、管楽器とハープの厚みのある響き、弦楽の細かい刻み、チェレスタとのバランス等大変難しい曲ですがこれは見事な演奏です。クライマックスの厚い響きホルンも良い響きです。後半の弦楽と木管、チェレスタもきれいな響きです。 
 「木星」は最も有名な曲でテンポの変化など小澤征爾の腕の見せ所です。第2主題のホルンが程よいテンポでたっぷりと歌われています。アンダンテの「ジュピター」のテーマは朗々と歌われるきれいな演奏、感動ものです。再現部の素晴らしい響きも見事な演奏です。ホルンがきれいです。コーダは大変素晴らしい演奏です。 
 「土星」はアダージョ、重い足取りのような部分が続いてクライマックスになります。テンポは程よいもので雰囲気は素晴らしいです。弦楽と木管も良い響きです。トロンボーンとホルンの響きもきれいです。中間部では鐘が鳴り響きます。この曲は後半の神秘的な響きも聞きものです。きれいな演奏です。
 「天王星」はアレグロ、冒頭金管に続くティンパニの響きが強烈です。続く主題も見事な演奏です。ホルンと弦楽のユニゾーンは迫力あります。パーカッションの響きも凄いです。後半の金管の盛大な響きとティンパニには圧倒されます。ハープが響いて終わります。
 「海王星」はフルートに始まる最も神秘的な響きの曲です。5拍子の変則的なところが効果的のようです。チェレスタの響きはまさに神秘です。クラリネットの主題が実に良い響きです。弦に受け継がれるといよいよ女声コーラスが聞こえてきます。ハープもきれいに響きます。この演奏ではステージ裏で歌われていますので大変効果的で最微音まで聞かれます。消えゆくコーラスは素晴らしい演奏です。


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