チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ジノ・フランチェスカッティ(1965)
CD(CBS MPK45700)

1.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
               ニ長調Op35
2.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
               ホ短調Op64
  ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)
   トマス・シッパース指揮
    ニューヨーク・フィルハーモニック(1)
   ジョージ・セル指揮
    クリーヴランド管弦楽団のメンバー(2)
  録音 1965年2月2日(1)
      1961年12月1日(2)

 フランチェスカッティはミトロプーロスの指揮でこの2曲をモノラル録音していました。このステレオ録音は豊かな響きのフランス人らしい明るさとテクニックで極上の音楽を作っています。チャイコフスキーの協奏曲は冒頭からオーケストラの音が素晴らしくフランチェスカッティのソロが一層引き立っています。第1楽章で一部カットがありますがアウアー版ではなさそうです。第2楽章では1音1音大切に弾いており、大変抒情的な演奏です。ポルタメントがきれいです。第3楽章は体を揺り動かしながら弾いている様子が目に浮かぶようです。時にテンポを崩しながら弾いていますが、この演奏は見事です。ヴァイオリンの音色は厚みのある深い響きです。CBSのステレオ録音が生きています。
 メンデルスゾーンの協奏曲はセル/クリーヴランドのメンバーで編成が小編成のようです。オーケストラの響きはチャイコフスキーとは違います。管楽器が目立つ録音です。しかしながらヴァイオリン・ソロを引き立てるものでフランチェスカッティの美音がたっぷり聞かれます。演奏時間は24分ほどで速めの演奏になっています。


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