惑星の演奏

ロリン・マゼール/フランス国立管弦楽団(1981)
CD(SONY SICC−391)

1.ホルスト/組曲「惑星」Op32
  1)火星(7:48) 2)金星(7:08)
  3)水星(4:02) 4)木星(7:23)
  5)土星(8:30) 6)天王星(5:40)
  7)海王星(8:04)
2.プロコフィエフ/組曲「3つのオレンジへの恋」Op33bis

  ロリン・マゼール指揮
   フランス国立管弦楽団
      女声合唱団(海王星)
  録音 1981年7月4&5日(1)
      1981年11月6日(2)

 マゼールがフランスのオーケストラを指揮した「惑星」です。
 「火星」は5拍子のリズムにのった迫力のある演奏です。そして管楽器の明るい響きがこの火星に輝きを与えています。コーダの盛りあがりは素晴らしい。
 「金星」はやや速めのアダージョです。ホルンのソロは明るいです。速めの演奏ながらも美しさは素晴らしいもので弦楽の透明感は抜群です。「水星」は管楽器と弦楽器の響きが見事です。さわやかなスケルツォです。
 「木星」は快適なテンポで始まります。第2主題の歌い方は素晴らしい。第3主題のホルンはやや速めに歌わせています。アンダンテのジュピターのテーマはホルンと弦楽のユニゾーンの美しさが素晴らしい。再現部も勢いにのった見事な演奏でした。
 「土星」は序奏の弦のクレッシェンドが実にきれいです。管楽器の響き、トロンボーンの温かい響きは印象的です。中間部のクライマックスも見事で鐘の音がよく響きます。「天王星」では冒頭の金管の和音と続くティンパニの強打がポイントですが、ティンパニの爆発的な響きには圧倒されます。第1主題の鮮やかな演奏、管楽器による迫力の演奏も見事です。後半ではパ−カッションやシロフォンがよく響いています。圧倒的な演奏です。
 「海王星」は神秘的な音楽の表現が見事です。ハープとチェレスタが美しいです。後半から聞かれるクラリネットの主題がホルンの和音と溶け合っています。弦楽は美しく、女声合唱は透明感のある歌声が美しいです。間奏のチェレスタが素晴らしい響きです。そして果てしないディミヌエンドはほんとに消えゆくように録音されています。
 プロコフィエフの組曲「3つのオレンジへの恋」は6つの小品の組曲です。第1曲「変わり者たち」、第2曲「地獄の場面」、第3曲「行進曲」、第4曲「スケルツォ」、第5曲「王子と王女」、第6曲「逃亡」の6曲です。楽しい作品で、中でも第3曲「行進曲」は特に有名で単独で演奏されたり、ハイフェッツの編曲によるヴァイオリンとピアノでもたびたび演奏されています。


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