惑星の演奏

デイヴィッド・ネットル&リチャード・マークハム(2台のピアノ版)(1984)
CD(自主制作 NEMACD700)

 ホルスト/組曲「惑星」Op32
  (作曲者自身の編曲による2台のピアノ版)

  デイヴィッド・ネットル(ピアノ)
  リチャード・マークハ(ピアノ)
  録音 1984年11月6〜8日

 デイヴィッド・ネットル&リチャード・マークハムのピアノ・デュオによる2台のピアノ版「惑星」です。2台のピアノ版はホルスト自身が編曲していたものです。オーケストラ版が一般に知られ、この2台のピアノ版はほとんど知られていませんでした。この録音がおそらく世界初録音でしょう。
 このアルバムはピアノでの演奏なのでオリジナルと比較はできませんが、ピアノで演奏すればこのように響くと思って聴いたほうが良いようです。組曲としては面白いです。「火星」は徐々に盛り上げていきます。2台のピアノはさすがに迫力があります。「金星」は少し速めのアダージョになっています。弱奏の美しさがあります。
水星」はスケルツォ、ピアノの演奏は大変楽しそうです。グロッケンの音がピアノでも効果的に響きます。「木星」はかなりのスピード感ある演奏です。第1主題の勢いと第2主題の華麗な響き、またアッチェルランドが見事です。「ジュピターのテーマ」は穏やかに始まりこの曲での美しさを引き出しています。
 「土星」は穏やかなアダージョでクライマックスでは壮大な響きになっています。鐘の響きはピアノではお手のものでした。「天王星」は諧謔的なアレグロですからピアノでの表現は面白くて、この曲はピアノで十分楽しめます。低音の魅力があります。「海王星」はピアノで演奏すると意外にも神秘的です。チェレスタやハープの代用になる楽器なだけにタッチの絶妙な加減で素晴らしい響きを出しています。


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