惑星の演奏

アンドレ・プレヴィン/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(1986)
CD(TELARC CD-80133)

ホルスト/組曲「惑星」Op32
 1.火星(7:11) 2.金星(8:43)
 3.水星(3:55) 4.木星(7:47)
 5.土星(9:00) 6.天王星(5:50)
 7.海王星(7:45)

 アンドレ・プレヴィン指揮
   ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
   ブライトン・フェスティバル合唱団(7)
   録音 1986年4月14&15日

 アンドレ・プレヴィンがロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した「惑星」です。
 「火星」は管楽器のうまさが光る迫力のある演奏です。管と弦の厚みのある演奏が見事です。中間部のユーフォニアムの素晴らしい響き、管楽器と弦楽の絡み、クライマックスの金管の強奏は迫力あります。パーカッションの響きも凄いです。コーダの迫力は素晴らしいです。
 「金星」はホルンで始まります。透明感あるホルンが素晴らしい響きです。木管とハープも良い響きです。ヴァイオリン・ソロからの弦楽の美しさも見事です。オーボエのソロ、チェロのソロも良い響きです。ホルンの美しい響きは際立っています。大変美しいアダージョです。
 「水星」はスケルツォ、管楽器とハープの厚みのある響き、弦楽の細かい刻み、チェレスタとのバランス等大変難しい曲ですが、これは見事な演奏です。クライマックスの厚い響き、ホルンも良い響きです。チェレスタもきれいな響きです。
 「木星」は最も有名な曲でテンポの変化や間などプレヴィンの腕の見せ所です。第2主題のホルンが程よいテンポできれいに歌われています。アンダンテの「ジュピター」のテーマは朗々と歌われ白眉の演奏、感動ものです。再現部の素晴らしい響き、テンポを落としてのアッチェルランドなども見事な演奏です。コーダは大変素晴らしい演奏です。
 「土星」はアダージョ、重い足取りのような部分が続いてクライマックスになります。テンポはやや遅めで雰囲気は素晴らしいです。弦楽と木管も良い響きです。トロンボーンとホルンの響きもきれいです。中間部では鐘が鳴り響きます。この曲は後半の神秘的な響きも聞きものです。低弦と木管も良い響きです。鐘もきれいに響きます。
 「天王星」はアレグロ、冒頭金管に続くティンパニの響きが強烈、弦のピツィカートがきれいです。ホルンと弦楽のユニゾーンは迫力あります。パーカッションの響きも凄いです。中間部の木管と金管も良い響きです。後半の金管の盛大な響きには圧倒されます。ハープが響いて終わります。
 「海王星」はフルートに始まる最も神秘的な響きの曲です。5拍子の変則的なところが効果的のようです。ホルンも良い響きです。チェレスタの響きはまさに神秘です。クラリネットの主題が実に良い響きです。弦に受け継がれるといよいよ女声コーラスが聞こえてきます。合唱はステージ裏で歌われていますので大変効果的で最微音まで聞かれます。消えゆくコーラスは素晴らしい演奏です。


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