ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

アイザック・スターン(1966)
CD(CDACCORD ACD 118−2)

1.ベートーヴェン/序曲「コリオラン」Op62   
2.    〃  /ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op6
      (カデンツァ:クライスラー)

  アイザック・スターン(ヴァイオリン)(2)
  ヴィトルド・ロヴィツキ指揮
   ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
   録音 1954年11月5日ライヴ(1)
       1966年6月3〜4日ライヴ(2)

 ワルシャワ・フィル創立100周年記念アルバムの1枚です。ロヴィツキは来日でもベートーヴェンの「運命」などを演奏してましたが「コリオラン」の気迫に満ちた演奏は素晴らしい響きであり、重厚そのものです。
 スターンの弾くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲はやや遅めのテンポでじっくり聞かせる演奏です。ロヴィツキの統率力は素晴らしくベートーヴェンの重厚かつ壮大な響きを引き出しています。スターンのヴァイオリンは美しく、時にはしっとりとした響きを出して瑞々しいヴァイオリンともいえそうな響きが聞こえてきます。45歳の円熟期の演奏であり、その完成度の高さはスタジオ録音と並ぶものです。クライスラーのカデンツァを弾いていますが、勢いのある演奏で厚みのある響きに圧倒されます。第3楽章の絶妙なレガート奏法は素晴らしく、カデンツァも力強いものでした。


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