「海」の演奏(1)

ディミトリ・ミトロプーロス/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1960)
CD(ORFEO C488 981B)

ミトロプーロス/ザルツブルク・ライヴ
1.メンデルスゾーン/交響曲第3番イ短調「スコットランド」
2.シェーンベルク/管弦楽のための変奏曲Op31
3.ドビュッシー/交響詩「海」
  
  ディミトリ・ミトロプーロス指揮
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
    1960年8月21日モノラル録音
      ザルツブルク祝祭大劇場ライヴ
 
 このCDは1960年のザルツブルク音楽祭ライヴです。ミトロプーロスがベルリン・フィルハーモニーを指揮した名演です。まず冒頭のスコットランドの響きから異様なまでの雰囲気を感じます。ツェラーのフルートが大変きれいに響いているのにびっくりです。弦楽の嘆くような主題はいままで聞いたことがないような気がするほど見事な響きです。ミトロプーロスの凄さはフィナーレでも感じます。
 シェーンベルクの変奏曲はかなり複雑な曲で奏法も難しいようです。そこはベルリン・フィルの腕の見せ所でしょう。
 ドビュッシーの「海」は多彩な響きのこの作品をミトロプーロスがどのようにコントロールするかが聞き所です。「海の夜明けから真昼まで」はテンポの変化やソロ楽器のからみなど聞き惚れます。「波の戯れ」も見事な響きです。「風と海との対話」は冒頭から緊張感あふれる演奏です。この対話のききどころホルンの叫びは素晴らしい、続く波の響きが凄い、中間のヴァイオリンによるフラジオレットがピーンと響くのがさすがです、後半に挿入されるパッセージはトランペットとホルンによって豪快に吹かれます。またコーダではコルネットによる三連符が挿入される版を使っていますので注目です。


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