「海」の演奏(2)

シャルル・ミュンシュ/フランス国立放送管弦楽団(1966-1)
CD(Spectrum Sound CDSMBA138)

ミュンシュ/フランス音楽名演集
1.ベルリオーズ/幻想交響曲Op14
2.ドビュッシー/交響詩「海」

 シャルル・ミュンシュ指揮
  フランス国立放送管弦楽団
  録音 1966年1月10日
  バーデン=バーデン劇場ライヴ
      (モノラル録音)

 シャルル・ミュンシュがドイツのバーデン=バーデンでフランス国立放送管弦楽団を指揮した演奏会の録音です。
 ベルリオーズの幻想交響曲はミュンシュが得意の曲です。第1楽章「夢、情熱」は序奏に続く弦楽の美しい主題の演奏がきれいです。テンポが速くなると、管楽器も入って素晴らしい響きです。やがてホルンのきれいな主題が始まります。フランスのホルンの明るい響きが聴かれます。中間部の盛りあがりは勢いがあります。後半にはアッチェルランドもあります。徐々にテンポアップしてゆくミュンシュの指揮の素晴らしさがあります。そして木管の美しい響きも聴かれます。コーダも迫力のある演奏です。第2楽章「舞踏会」は弦楽とハープの美しい演奏に始まります。やがて管楽器も加わって盛りあがります。終結部はテンポが速いです。終結の猛スピードには感服です。第3楽章「野の風景」はコールアングレとオーボエの対話に始まります。そして弦楽の美しい主題とホルンのきれいな響きが聴かれます。やがて天気が変わるようで賑やかになったり、きれいな主題が歌われたりします。突然雷鳴が轟くような凄い響きになります。後半にはクラリネットがきれいに歌います。終結部でコールアングレが歌うとティンパニが響きます。第4楽章「断頭台への行進」はホルンの響きと共に一気に盛りあがります。トランペットとティンパニが素晴らしい響きです。やがてテンポアップして凄まじいまでの気迫が感じられます。第5楽章「魔女の饗宴の夢」は気迫に満ちた演奏に始まります。木管の勢いのある演奏も素晴らしいです。金管も良い響きです。鐘が鳴るとテューバの良い響きが聴かれます。金管も良い響きです。中間部も勢いのある見事な演奏です。終結の勢いのある凄い演奏、ティンパニの強打と見事な演奏です。終結はたっぷり伸ばしています。拍手喝采です。

 ドビュッシーの交響詩「海」はミュンシュの録音が多い曲です。第1曲「海の夜明けから真昼まで」は素晴らしい響きに始まります。弦の響きも素晴らしいです。木管と金管も良い響きです。ホルンも良い響きです。中間部からはティンパニも良い響きです。弦楽の見事な演奏も素晴らしいです。まさに寄せる波です。コーダの押し寄せる大波はティンパニが迫力のある感動的な演奏です。第2曲「波の戯れ」は木管とハープが良い響きです。弦楽の波の表現が素晴らしい響きです。トランペットの響きも素晴らしいです。後半も管弦楽やパーカッションの波の表現が素晴らしい響きです。ハープのきらめきも素晴らしいです。第3曲「風と波との対話」では冒頭の低弦の迫力とパーカッションの響きは素晴らしいです。トランペットがよく響いています。ホルンの吹く風と弦の表現する波との対話が素晴らしい響きです。ティンパニも良い響きです。中間部は美しい響きが聴かれます。後半になるとき、ここでミュンシュの気合の一声が入ります。後半に挿入されるパッセージはここでは挿入されていませんが、それからのテンポアップが凄いです。怒濤のコーダには感動しました。こちらも拍手大喝采です。


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