ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

シルヴィア・マルコヴィチ(1981)
CD(WEITBLICK SSS0218-2)

1.ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op26
2.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
       (カデンツァ:ヨアヒム)

  シルヴィア・マルコヴィチ(ヴァイオリン)
  エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮
   スウェーデン放送交響楽団
  録音 1981年9月17日(1)
      1981年9月18日(2)
      (ライヴ録音)  

 ルーマニア出身のシルヴィア・マルコヴィチがスヴェトラーノフと共演したブルッフとブラームスのヴァイオリン協奏曲です。
 ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番はティンパニのトリルから始まり前奏と共にヴァイオリン・ソロが哀愁的なメロディを歌います。マルコヴィチのヴァイオリンは瑞々しい響きのヴァイオリンで大変美しい演奏です。重音がきれいです。オーケストラも厚みがありよい響きです。再現部の劇的な響きもきれいです。切れ目なく続く第2楽章は繊細な響きのヴァイオリンが素晴らしい。オーケストラとのバランスもいうことありません。第3楽章は重音の主題に始まります。オーケストラがよく響きます。第2主題の目まぐるしく動く主題も素晴らしい響きです。中間部の雄大な響きが素晴らしいです。スヴェトラーノフの音作りが素晴らしいです。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲は第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポの冒頭から厚い響きのオーケストラが聴かれます。マルコヴィチのヴァイオリンは艶のある響きを出しています。ポルタメントがきれいでハイトーンもホールによく響きます。展開部でもオーケストラとの調和のとれたよい響きが聴かれます。オーケストラも良い響きです。カデンツァはヨアヒムのものを弾いています。繊細で美しい響きの素晴らしい演奏です。コーダの演奏は感動的です。第2楽章:アダージョは冒頭のオーボエとホルンの美しい響きが素晴らしいです。そしてヴァイオリンの繊細な響きが哀愁的な主題を一層美しいものにしています。ホルンとの対話もきれいです。続くヴァイオリンのすすり泣くような主題もまた美しいものでこの楽章の聴きどころです。第3楽章は厚い響きのヴァイオリンで始まります。繊細なヴァイオリンで聴くブラームスもまたよいものです。スヴェトラーノフの作り出すオーケストラの響きは素晴らしいものです。後半のヴァイオリンも重音が良い響きを出しています。よい演奏です。


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