「海」の演奏(2)

アラン・ロンバール/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団(1978)
CD(ERATO 4509-92867-2)

1.ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
2.    〃  /交響詩「海」
3.    〃  /夜想曲
4.    〃  /クラリネットと管弦楽のための
          第1狂詩曲

  アラン・ロンバール指揮
   ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団(1〜3)
          ラン国立オペラ合唱団(3)
  アントニー・モルフ(クラリネット)(4)
  アルミン・ジョルダン指揮
   モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団(4)
  録音 1975年(1)
      1978年2月(2&3)
      1980年頃(4)

 アラン・ロンバールのドビュッシーです。
「牧神の午後への前奏曲」はフィリップ・ジョリヴェのフルート・ソロがきれいです。ホルンとのからみも素晴らしく、夏のものうい感じをよく表現した演奏といえましょう。
 「海」は第1曲「海の夜明けから真昼まで」は勢いのある演奏です。フランスの管楽器の明るさが良い雰囲気を作り出しています。弦楽の波の表現がきれいです。コーダの押し寄せる波はタムタムとシンバル、ティンパニの強打が凄いです。しぶきが届きそうです。第2曲「波の戯れ」ではコールアングレに続くオーボエの演奏が素晴らしい。ハープによる波のきらめき、弦楽による波の戯れの表現が素晴らしいです。第3曲「風と波との対話」では冒頭の低弦の迫力とパーカッションの響きが素晴らしく、ミュートをつけたトランペットがよく響いています。ホルンの吹く風と弦の表現する波との対話が凄いです。波の表現が素晴らしいだけでなくパーカッションの響きに圧倒されそうです。後半に挿入されるパッセージはここでは挿入されていませんが、怒濤のコーダには圧倒されます。最後の大音響に驚きます。
 夜想曲は「雲」の幻想的な響きがなんともいえません。コン・ソルディーノによる弦楽の響きが雲のようです。コールアングレの響きは流れるようです。「祭り」は勢いがあります。管楽器の美しさ、ホルンの明るさは素晴らしい。「シレーヌ」は女声合唱とホルンの対話がきれいです。他のオーケストラには聞かれない響きがあります。コールアングレの物悲しい響きが印象的です。
 クラリネットと管弦楽のための第1狂詩曲はクラリネットとピアノのための作品からの編曲です。アントニー・モルフの甘いクラリネットが大変きれいです。


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