「海」の演奏(2)

ダニエル・バレンボイム/パリ管弦楽団(1978)
CD(DGG FOCG27005)

1.ラヴェル/バレエ音楽「ボレロ」
2.  〃 /「ダフニスとクロエ」組曲第2番
3.ドビュッシー/交響詩「海」
4.  〃   /牧神の午後への前奏曲

  ダニエル・バレンボイム指揮
   パリ管弦楽団
  録音 1981年3〜6月(1、2&4)
      1978年6月(3)

 バレンボイム/パリ管のフランス音楽です。ラヴェルの「ボレロ」と「ダフニスとクロエ」は何度となく演奏された音楽でしょう。「ダフニス」の「パントマイム」ではミシェル・デボストのフルート・ソロが聞かれます。
 「海」は第1曲「海の夜明けから真昼まで」は抜群響きです。弦楽のきらめき、波の表現、フルートの美しい響き、ホルンの響き、どれをとって凄いです。コーダの大波、波しぶきは打楽器の活躍が素晴らしく迫力満点です。第2曲「波の戯れ」は管楽器の響き、弦楽による戯れが斬新です。パーカッションとハープの素晴らしい響きも聞きもの。この第2曲では「波の戯れ」そのものの表現が素晴らしく、他ではほとんど聴かれないでしょう。第3曲「風と海との対話」では冒頭の響きが凄いです。トランペットの響き、ホルンと弦楽の対話も素晴らしいです。ホルンにビヴラートさせないことで凄みが感じられます。パーカッションの活躍にはここでも圧倒されます。後半の合いの手パッセージは挿入されませんが終結の圧倒的な演奏は凄いです。この演奏を聴くとバレンボイムがピストンホルンをやめさせた理由がわかるような気がします。
 「牧神」ではデボストの美しいフルートと明るい響きのホルンがきれいです。ホルンがビヴラートしないことで異質な響きにならず、木管との自然な調和がとれています。この演奏は真夏の午後のものうい感じがよく表現されています。


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