「海」の演奏(1)

ウラディーミル・アシュケナージ/クリーヴランド管弦楽団(1986)

CD1(LONDON POCL−90055)
CD2(LONDON F00L−23078)

CD1 アシュケナージ/フランス音楽集
1.ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
2.  〃   /3つの夜想曲
3.  〃   /交響詩「海」
4.ラヴェル/スペイン狂詩曲

 ウラディーミル・アシュケナージ指揮
  クリーヴランド管弦楽団&合唱団
    1986年4月6日録音(1〜3)
    1990年録音(4)  

CD2 ドビュッシー/管弦楽名曲集
1.牧神の午後への前奏曲
2. 3つの夜想曲
3.「海」〜3つの交響的スケッチ

  ウラディミール・アシュケナージ指揮
   クリーヴランド管弦楽団
   ジェフリー・カーナー(フルート)(1)
   クリーヴランド合唱団(2)
  録音 1986年4月6日

 アシュケナージがクリーヴランドを指揮したフランス音楽です。まず「牧神の午後への前奏曲」が素晴らしい。この曲では冒頭のフルート・ソロと続く2つのホルンの応答がもっとも重要なポイントですが、このホルンがなんともいえない真夏の午後のものうい気分を表現しています。
 3つの夜想曲は第1曲「雲」がなんともけだるそうな雰囲気です。描写音楽ではありませんがふわふわの雲を思わせます。第2曲「祭り」は管と弦のアンサンブルの素晴らしさがあります。第3曲「シレーヌ」には女声合唱が入ります。合唱とホルンの対話、コールアングレやハープの響きなど「海の精」の幻想曲ともいえる音楽は続く「海」につながります。
 交響的スケッチ「海」は第1曲「海の夜明けから真昼まで」は音の厚みが素晴らしく、波の表現がまたきれいです。コーダの大波の表現は圧倒的です。第2曲「波の戯れ」はコールアングレとオーボエの対話がきれいです。第3曲「風と海との対話」では低弦の迫力が素晴らしい。ホルンと弦楽の対話も圧倒的です。後半に挿入されるパッセージはトランペットとホルンによって高らかに演奏されています。
 ラヴェルの「スペイン狂詩曲」はオーケストレーションに違いはありますが、第1曲「夜への前奏曲」はドビュッシーの音楽を思わせるところがあり、本来のアルバムにはない選曲が面白いです。CD2はオリジナルカップリングです。


トップへ
戻る
前へ
次へ