惑星の演奏

ロス・ポープル/ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団(1991)
CD(ASV CRCB−135)

1.ホルスト/組曲「惑星」Op32
  1)火星 2)金星
  3)水星 4)木星
  5)土星 6)天王星
  7)海王星
2.ホルスト/フーガ風序曲Op40−1
3.  〃 /セント・ポール組曲Op29
 
  ロス・ポープル指揮
   ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団
   セント・ポール寺院聖歌隊(海王星)
   録音 1991年

  ロス・ポープルはチェロ奏者で、BBC交響楽団の首席チェロ奏者を1976年から10年つとめています。ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団は1980年に彼が創設したオーケストラです。
 「火星」は地の底から響くような冒頭が印象的ですが、やがて一気にもりあがりドラの強打にびっくりです。ロンドンの金管奏者は達人が多く、ここでも大変迫力ある演奏が聴かれます。コーダのドラも大迫力でオルガンが聞こえないほどです。「金星」はホルン・ソロが大変きれいです。思わず聞き入ってしまうほどです。続く弦楽とハープの響き、ヴァイオリン・ソロと流麗な演奏です。中間部でヴァイオリン・ソロ、木管のソロのあとに響くチェロ・ソロは印象的で、ここはチェロ奏者ポプールのこだわりでしょうか。後半のチェロ・ソロも目立ちます。
 「水星」は管楽器と弦楽の流麗な演奏、グロッケンとチェレスタが大変きれいです。教会での録音は響きます。「木星」は迫力ある序奏、そして第1主題、また第2主題は微妙にテンポの変化があります。第3主題のホルンはゆったりと吹いていて大変きれいです。第4主題「ジュピターの主題」は良いテンポで素晴らしいカンタービレです。
 「土星」の序奏は低弦の響き、ヴァイオリンとヴィオラの透明感のある響きがきれいです。第2主題の美しい響きも素晴らしく、中間部のクライマックスでは鐘を抑え気味に響かせていますが迫力は十分です。「天王星」は冒頭金管の和音とティンパニの強打が見事です。続く管楽器と弦楽器の流れも完璧でホルンと弦楽の第2主題も良い響きです。「海王星」はフルートや管楽器の神秘的な響きが美しいです。ハープとチェレスタのきらめきがきれいです。そして女声合唱はよく響いています。


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