2000年以後の「春の祭典」

アンドリュー・リットン/ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団(2008)
CD(BIS BIS-SACD-1474)

ストラヴィンスキー/バレエ音楽集
1.バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版)
2.バレエ音楽「春の祭典」(1947年版)

  アンドリュー・リットン指揮
   ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団
   録音 2009年6月(1)
       2008年8月(2)
      ベルゲン/グリーグホール

 アンドリュー・リットンがノルウェーのベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したストラヴィンスキの「春の祭典」と「ペトルーシュカ」です。 
  「ペトルーシュカ」は冒頭のフルート、そして弦楽の厚みのある響が見事で管楽器のバランスもよく、大変良い演奏です。グロッケンも目立ちすぎずよい響きです。第2場「ペトルーシュカの部屋」ではクラリネットとピアノの演奏が見事です。第3場「ムーア人の部屋」ではトランペットのソロが滑らかです。第4場「謝肉祭の市」でもバランスの良い素晴らしい演奏です。
  「春の祭典」は序奏のファゴット、木管の素晴らしい響きは録音のよさもあってレンジの広さが素晴らしい。「春のきざし」の弦楽の刻みは素晴らしく、バックの管楽器も勢いを感じます。大太鼓の生々しさは凄いです。またホルン・ソロもきれいです。「若者たちの踊り」も勢いのある演奏で緊張感があります。「誘拐」ではパーカッションとホルンの響きも素晴らしくティンパニの深みのある響きも見事。「春のロンド」では打楽器の迫力が凄いです。リットンの演出も注目で、金管の雄叫びにも圧倒されそうです。「敵対する町の遊び」のスピード感も素晴らしい。ホルンのクレッシェンドにまいります。「賢者の行列」のパーカッション、ギロの音にも注目、「大地の踊り」は頭の打楽器の叩き方が凄いので驚きでした。
  第2部の序奏は穏やかで良い響きを出しています。ホルンの響きが遠吠えのようにきれいです。「いけにえの賛美」の前の和音が素晴らしく、タムタムの響きやティンパニの叩き方に注目です。久々に感動する「いけにえの賛美」になりました。「祖先の呼び出し」は1947年版のゆったりとしたドドドンに圧倒されます。クレッシェンドも凄いです。「祖先の儀式」でのホルンの雄叫びのような強奏は感動的な演奏になりました。「いけにえの踊り」の打楽器は抜群の演奏、タムタムの響きの大きさに驚きます。リズムの確かさ、音量、アンサンブルの良さと21世紀の「春の祭典」ではダントツといって良いでしょう。完璧な名演です。最後はピカドンの2つで締めています。最後の和音は間のとり方が絶妙です。この演奏は大変感動的で絶賛したいと思います。


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