惑星の演奏

ジョン・エリオット・ガーディナー/フィルハーモニア管弦楽団(1994)
CD(DGG POCG−1879)

 1.グレインジャー/戦士たち(18:14)
ホルスト/組曲「惑星」Op32
 2.火星(7:55) 3.金星(7:30)
 4.水星(3:45) 5.木星(7:11)
 6.土星(9:07) 7.天王星(5:27)
 8.海王星(8:02)
  ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
       フィルハーモニア管弦楽団
  モンテヴェルディ合唱団女声コーラス(8)
   録音 1994年2月

 数ある「惑星」のCDの中でも演奏、録音ともこれ以上ないと言ってもいいほどの名盤です。フィルハーモニア管弦楽団はボールトの録音以来、たくさんの指揮者によって「惑星」の演奏、録音をしてきました。ロンドンのオーケストラはどれもこの曲を得意としていますが、最も優れた演奏が多いのはこのフィルハーモニア管弦楽団でしょう。
  ガーディナーの演奏は火星では音の厚みと抜群のアンサンブルを聴かせます。金星では美の極致そのものです。ホルンのソロは理想的な音でした。水星は管楽器のアンサンブルのうまさが見事です。
  木星はこの曲の最も重要な曲です。やや速めのテンポの前半は第3主題のホルンがカラヤン並の速さですが、アンダンテのジュピターのテーマはとても素晴らしいです。この曲では第2主題の再現する緊張感がたまりません。
 アダージョの土星は中間部のクライマックスが聞き所です。完璧です。鐘の音も太く鳴り響いています天王星では冒頭の金管の和音と続くティンパニの強打が見事です。中間部ではティンパニが迫力ある響きを出しています。
 海王星はクラリネットの主題の主題と女声合唱のヴォカリーズが聞き所です。またチェレスタの効果も重要です。クラリネットの主題がホルンの和音に負けないでよく響いていました。女声合唱はガーディナーとの長年のコンビ、モンテヴェルディ合唱団だけに素晴らしい声です。消えゆくところはCDならではの美しさがあります。


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