惑星の演奏

アドリアン・リーパー/グラン・カナリア・フィルハーモニー管弦楽団(1995)
CD(ARTE NOVA BVCC−6099)

 ホルスト
 1.歌劇「どこまでも馬鹿な男」より
 組曲「惑星」Op32
 2.火星(7:20) 3.金星(8:12)
 4.水星(4:08) 5.木星(8:00)
 6.土星(9:10) 7.天王星(5:42)
 8.海王星(7:14)
  アドリアン・リーパー指揮
  グラン・カナリア・フィルハーモニー管弦楽団
         女声合唱団(8)
  録音 1995年1月25日

 これはリーパー2回目の録音です。このレーベル以外では聞いたことないオーケストラですが、優秀なオーケストラのようです。
 火星はほどよいテンポです。管楽器もよい響きを出してますし、パーカッションも申し分ありません。オルガンもよく聞こえています。金星は冒頭のホルンが美しく、これも申し分ありません。木管の響きもきれいです。ハープとチェレスタがなんともきれいな演奏です。水星は管楽器と弦楽器の腕の見せ所ですが、大変きれいにまとめられています。チェレスタが光ります。
  木星は全曲の要です。程良いテンポのアレグロ・ジョコーソです。第3主題のホルンはゆったりと歌っているのが印象的です。アンダンテのジュピターのテーマはホルンと弦が解け合ってとても綺麗でした。はややおとなしい冒頭です。中間部のクライマックスも鐘の音が溶けこんであまり聞こえません。バランスが良すぎました。スコアを見ると大変難しい曲だと思いました。
  天王星はこれは迫力ある演奏になっています。第2主題のホルンと弦の溶け合った響きも見事でした。海王星火星と同じ4分の5拍子ですが、これほど豊かな雰囲気の曲になるというのは驚きです。木管とチェレスタは素晴らしい演奏です。後半のクラリネットの主題が大変きれいに聞こえてきます。女声合唱も大変美しく、全曲のフィナーレとして満足できます。
 
  このCDはやや迫力不足ではありますが演奏の水準は高く廉価盤としては大変満足できるものです。


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