「春の祭典」の演奏(ピアノ版)

グラウ・シューマッハー・ピアノ・デュオ(2006)
SACD(NEOS 20805)

1.ドビュッシー/白と黒で
2.ストラヴィンスキー/2台のピアノのためのソナタ
3.ドビュッシー/6つの古代の墓碑銘
4.ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」(4手ピアノ版)

  グラウ・シューマッハー・ピアノ・デュオ 
  アンドレアス・グラウ(ピアノ)
  ゲッツ・シューマッハー(ピアノ)
  録音2006年11月

  アンドレアス・グラウとゲッツ・シューマッハーによるピアノ・デュオ集です。ドビュッシーとストラヴィンスキーの作品が演奏されています。
  ドビュッシーの「白と黒で」は1915年に作曲された2台のピアノのための作品、第1曲:無我夢中で(クーセヴィツキーに献呈)、第2曲:ゆるやかに。沈痛に(ジャック・シャルローに献呈)、第3曲:スケルツァンド(ストラヴィンスキーに献呈)からなる組曲です。
  ストラヴィンスキーの2台のピアノのためのソナタは1943〜44年の作品でアメリカで初演されています。
ドビュッシーの6つの古代の墓碑銘は1914年の作品でパントマイムと室内楽「ビリティスの歌」から6曲を選んで4手ピアノに編曲されています。なおこの6曲をアンセルメは再度オーケストラに編曲していました。
  ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」は2台のピアノによる演奏です。数々の2台のピアノによる録音がありますが、この2人の演奏は息のあった素晴らしいものです。ピアノの表現力と輝きをみせる第1部「春のきざし」から「誘拐」の凄まじさ、「春のロンド」ではピアノならではの美しい響きなどオーケストラでは味わえない感動があります。「大地の踊り」のスピード感は見事。第2部では「序奏」のノクターンのような響きが美しい。「いけにえの賛美」では速いテンポで和音、グリッサンドそして低音から高音までスピード感あふれる演奏は息をもつかせない緊張感があります。「祖先の呼び出し」における低音の響きには迫力があります。この演奏は緊張感のある名演としてお勧めしたいです。


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