「春の祭典」の演奏(ピアノ版)

マルコム・ウィルソン&フィリップ・マーティン(2009)
CD(SOMM RECORDINGS SOMMCD 098)

 2台のピアノのための作品集
 1.ラフマニノフ/交響的舞曲Op45
 2.ストラヴィンスキー/バレエ「春の祭典」

  マルコム・ウィルソン(ピアノ)
  フィリップ・マーティン(ピアノ)
  録音2009年3月30&31日
  バーミンガム/エードリアン・ボールト・ホール

 2台のピアノのための「交響的舞曲」と「春の祭典」です。マルコム・ウィルソンとフィリップ・マーティンはイギリスのピアニストで1980年代からデュオ活動をしています。
  ラフマニノフの「交響的舞曲」はオーケストラ作品ですが2台のピアノ版も度々演奏されます。華麗な第1楽章、テンポ・ディ・ヴァルスの第2楽章とラフマニノフのロマン的な音楽が流れます。第3楽章はテンポの変化がダンス音楽らしく跳躍的な旋律も聴きものでしょう。
  2台のピアノのための「春の祭典」は広がりのある序奏が素晴らしい響きです。奥行きや躍動感まで感じられます。「春のきざし」は音の流れが聞こえて楽しくなります。勢いのある演奏で思わず耳を傾けてしまいます。「誘拐」では圧倒的な音量で進みます。「春のロンド」は穏やかな部分と大音量の部分の差が聞き所でしょう。「敵対する町の遊び」は音の洪水になっていて緊張感があります。「大地の踊り」は2台のピアノの大音響が素晴らしい。
  第2部の「序奏」はトレモロに乗った主題が美しい響きになっています。「いけにえの賛美」は勢いに乗ったスリリングな演奏、「祖先の呼び出し」は低音のクレッシェンドするトレモロが迫力あります。「祖先の儀式」ではピアノのトレモロ、クライマックスの盛り上がりは素晴らしい。「神聖な踊り、選ばれし乙女」はグリッサンドが鮮やかで、リズムの変化、和音の連続と緊張の連続です。2台のピアノ版の厚みのある演奏に酔い知れます。


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