ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

チョン・キョン=ファ(1989)
CD(EMI TOCE−13021)

ベートーヴェン&ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲
1.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
   (カデンツァ:クライスラー)
2.ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op26

  チョン・キョン=ファ(ヴァイオリン)
  クラウス・テンシュテット指揮
   ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1)
   ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(2)
   録音 1989年11月29、30日&
           12月1日ライヴ(1)
       1990年5月8〜10日(2)

 チョン・キョン=ファがクラウス・テンシュテットの指揮で演奏したベートーヴェンとブルッフのヴァイオリン協奏曲です。
 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は程よいテンポで始まるオーケストラが重厚な響きです。ヴァイオリンのソロは美音をたっぷり楽しませてくれます。キレのよいヴァイオリンで透明感もありホールに響き渡るヴァイオリンが素晴らしいものです。そしてオーケストラも素晴らしい演奏です。展開部の迫力は素晴らしいです。ファゴットとヴァイオリンの絡みもきれいです。再現部も見事な演奏です。カデンツァはクライスラーの長大なものです。力強い演奏で実に素晴らしい響きです。第2楽章のラルゲットはゆったりとしたテンポです。ホルンの響きと共に美しいヴァイオリンが奏でられます。優雅な響きでファゴットとの絡みも聴きどころです。中間部のオーケストラもよい響きです。ヴァイオリンは美しさあふれる演奏です。終結のカデンツァも力強い演奏です。第3楽章の演奏もよいテンポです。それだけにヴァイオリンがよく響きます。重音もきれいです。ここでもファゴットとの二重奏が素晴らしいものです。ホルンも良い響きです。カデンツァは感動的でここでも豊かな響きを聴かせてくれます。そしてオーケストラも整然とした素晴らしい演奏です。名演です。大きな拍手です。
 ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番は序奏のヴァイオリン・ソロが大変きれのよい響きで重音もしっかりと厚い響きで申し分ありません。後半も気迫に満ちた素晴らしい演奏です。第2楽章は抒情的に歌うところが素晴らしいです。中間部の主題も美しい響きです。オーケストラもよい響きです。第3楽章の快活な主題も厚みのある響きが見事です。第2主題の跳躍的なフレーズも素晴らしい演奏です。テンシュテットの引き出すオーケストラの響きもまたいいものです。


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