ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ルッジェーロ・リッチ(1991)
CD(BIDDULPH LAW 002)

1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
      (カデンツァ:ブゾーニ)
2.第1楽章のためのカデンツァ集
  1)ヨーゼフ・ヨアヒム 
  2)エドムンド・ジンガー
  3)フーゴ・ヘルマン 
  4)レオポルト・アウアー
  5)ウジェーヌ・イザイ
  6)フランツ・オンドジーチェク
  7)フランツ・クナイゼル
  8)アンリ・マルトー
  9)フリッツ・クライスラー
  10)ドナルド・フランシス・トーヴィー
  11)ヤン・クベリーク
  12)アドルフ・ブッシュ
  13)ヤッシャ・ハイフェッツ
  14)ナタン・ミルシテイン
  15)ルッジェーロ・リッチ

 ルッジェーロ・リッチ(ヴァイオリン)
 ノーマン・デル・マー指揮
    シンフォニア・オブ・ロンドン
  録音 1991年2月25日
      1991年5月21日

 ルッジェーロ・リッチのブラームスです。ヴァイオリン協奏曲の他にカデンツァもたくさん録音していました。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲は前奏の厚い響き、そしてティンパニも迫力があります。木管とホルンも良い響きです。ヴァイオリンのソロが始まるとブラームスの音楽の良い響きになります。繊細なヴァイオリン、そして重音の厚い響きと素晴らしい演奏です。リッチの演奏は豊かな表現力をみせる名演奏になっています。カデンツァはティンパニの入るブゾーニ作のカデンツァを弾いています。冒頭からのティンパニの音には驚きました。後半にオーケストラが入ってそのままコーダに入ります。見事な演奏です。第2楽章はオーボエのソロとホルンの美しい響きが奏でられ、ヴァイオリン・ソロは繊細な響きで哀愁的な主題を奏でます。素晴らしい演奏です。第3楽章は快適なテンポでヴァイオリンが良い響きで始まります。オーケストラとの掛け合いの絶妙なこと、豊かな響きのヴァイオリンは素晴らしい演奏です。ティンパニも良い響きです。木管とホルンの響きも素晴らしいです。圧倒的な迫力もある名演です。

 カデンツァ集は最初のヨアヒムが最もよく演奏されますので馴染み深いです。リッチの演奏も素晴らしいです。
 2つ目のジンガーは細やかできれいなカデンツァです。3つ目のヘルマンは力強いヴァイオリンで素晴らしいです。
 4つ目のアウアーは名手だけにテクニックを使う見事なカデンツァです。
 5つ目のイザイはベートーヴェンのカデンツァも書いていました。ブラームスもかなり難しそうな長いカデンツァです。
 6つ目のオンドジーチェクは力の入る素晴らしいカデンツァです。
 7つ目のクナイゼルは細やかなヴァイオリンで素晴らしいカデンツァです。
 8つ目のマルトーは重音をうまく使う素晴らしいカデンツァです。
 9つ目のクライスラーは有名なカデンツァです。重音を使うもので、リッチの素晴らしい演奏が聴かれます。
 10個目のトーヴィーはなかなかよくできたカデンツァです。オリジナル色が強いです。
 11個目のヤン・クベリークは有名なラファエル・クーベリックの父親です。細やかでテクニックも素晴らしいカデンツァです。
 12個目のアドルフ・ブッシュは巨匠の演奏したカデンツァです。短めですが、力のこもった見事なカデンツァです。
 13個目のハイフェッツはピツィカートも使う見事なカデンツァです。リッチの演奏も素晴らしいです。
 14個目のミルシテインは名手の自作です。ミルシテイン自身も録音していました。きれいな演奏です。
 最後はルッジェーロ・リッチの自作カデンツァです。自身でも演奏したかったのでしょう。短めですが、見事な演奏です。これは良い録音です。


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