ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

タスミン・リトル(1991)
CD(EMI 0777 7 64659 2 0)

1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
       (カデンツァ:ヨアヒム)
2.ベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op47
 
  タスミン・リトル(ヴァイオリン)
  ヴァーノン・ハンドリー指揮
   ロイヤル・リヴァプール・
      フィルハーモニー管弦楽団
  録音 1991年9月

 タスミン・リトルはイギリスのヴァイオリニストです。このアルバムはリヴァプールでの録音です。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲は序奏に続いて、繊細なヴァイオリンが美しく響きます。オーケストラの良い響きに支えられて、タスミン・リトルのヴァイオリンが歌います。カデンツァはヨアヒムのものを弾いています。美しい響きで素晴らしい演奏です。第2楽章序奏のオーボエはジョナサン・スモールが美しい響きで演奏しています。ホルンも良い響きです。ヴァイオリン・ソロの繊細で美しい響きもまた素晴らしいです。中間部では力強いヴァイオリンも聴かれます。第3楽章はオーケストラと共に力強い演奏を聞かせてくれます。見事な演奏です。
 シベリウスのヴァイオリン協奏曲は第1楽章の冒頭から美しい響きのヴァイオリンが流れます。雄大なオーケストラの響きはシベリウスが得意そうなイギリスのオーケストラの素晴らしさです。カデンツァは力強い響きで魂のこめられた演奏です。気迫も感じられます。後半の演奏もまた良い響きで、素晴らしい演奏が聴かれます。第2楽章のアダージョ・ディ・モルトは抒情的な主題がオーケストラで歌われ、やがてヴァイオリンの主題が奏でられます。そして劇的な響きの中間部があります。ヴァイオリンとオーケストラが力強く響きます。第3楽章は弾むようなオーケストラとヴァイオリンが力強く響きます。またヴァイオリンは重音の響きが素晴らしい。オーケストラはシベリウスの雄大な響きを十分に出しています。後半はヴァイオリンが緊張感のあるものになってきます。コーダは圧倒的な演奏でした。


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