チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲の演奏

リーラ・ジョセフォウィッツ(1994)
CD(PHILIPS PHCP-1000)

1.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
                  ニ長調Op35
2.シベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op47

  リーラ・ジョセフォウィッツ(ヴァイオリン)
  サー・ネヴィル・マリナー指揮
   アカデミー室内管弦楽団
   録音 1994年10月12〜14日(1)
       1995年1月4〜6日(2)

 リーラ・ジョセフォウィッツはカナダのトロント生まれのヴァイオリニスト、アメリカのカーティス音楽院で研鑽を積んでいます。17〜8歳のデビューアルバムです。
 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は優れた演奏で丁寧に歌っています。カデンツァは特に力の入ったもので若いヴァイオリニストながらも技巧を駆使して素晴らし演奏です。第2楽章は弱音器を付けたヴァイオリンが絶妙な音色です。開放音からは美しい響きが流れます。第3楽章は若さ溢れる力強い冒頭が見事な演奏です。この楽章ではオーケストラの管楽器のソロが聴きどころです。ヴァイオリンとの対話もあります。リーラの演奏は見事なものです。
 シベリウスのヴァイオリン協奏曲はこの難曲を実に丁寧に力強い演奏をしています。18歳でここまで弾くとは驚きです。ヴァイオリンがよく響きます。重音の演奏も素晴らしいものです。カデンツァは冒頭から素晴らしい音色、ヴァイオリンの鳴らし方が実に上手いです。ハイトーンもよく響いています。後半も研ぎ澄まされたような演奏で気迫さえも感じられます。第2楽章は穏やかなヴァイオリンとオーケストラのあとにオーケストラの間奏があってヴァイオリンの力強い演奏がきます。これがまた良い響きを出しています。第3楽章は冒頭から気迫に満ちた力強い演奏が続きます。このシベリウスではグァルネリウスのヴァイオリンを弾いいており、チャイコフスキーとは違う音色を出しています。後半の重音の厚い響きは素晴らしいものです。この演奏は素晴らしい。絶賛したいと思います。


トップへ
戻る
前へ
次へ