2000年以後の「春の祭典」

ユーリ・テミルカーノフ/サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団(2010)
CD(signum CLASSICS SIGCD330)

1.ラヴェル/組曲「マ・メール・ロワ」
2. 〃  /ラ・ヴァルス
3.ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」

  ユーリ・テミルカーノフ指揮
  サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団
    録音 2010年12月(1&3)
        2010年7月(2)

  テミルカーノフ久々の「春の祭典」です。テミルカーノフは1988年にロイヤル・フィルを指揮して以来の録音です。
  ラヴェルの「マ・メール・ロワ」と「ラ・ヴァルス」は「春の祭典」が初演されたフランスのラヴェルの作品で、名曲中の名曲だけに新たに録音するのも大変ですが、オーケストラの響きは21世紀になってかなり近代的になっていますので洗練された演奏になりました。「マ・メール・ロワ」の雰囲気は素晴らしく「パゴダの女王」なども良い響きです。「ラ・ヴァルス」はハープのきらめき、パーカッションの強打に圧倒されそうです。
  「春の祭典」は冒頭のファゴット、木管の素晴らしい響き、E♭クラやトランペットも素晴らしい。「春のきざし」の弦楽のきざみ、トランペットの響きもよく、「誘拐」での迫力もあります。「春のロンド」では打楽器の迫力が素晴らしく、金管の絶叫も圧倒的です。「賢者の行列」ではチューバの迫力には圧倒されます。「大地の踊り」ではパーカッションの響きが素晴らしい。
 第2部の序奏は穏やかなテンポですすみます。「いけにえの賛美」の前の和音からテンポは速く「いけにえの賛美」の圧倒的な演奏は乱れもなく素晴らしい響きです。パーカッションの活躍が凄い。「祖先の呼び出し」ではパーカッションのクレッシェンドが圧倒的です。「祖先の儀式」でのホルンの強奏、トラペットや弦楽の刻みも素晴らしく、「いけにえの踊り」の圧倒的な響きも凄いです。


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