2000年以後の「春の祭典」

イヴァン・フィッシャー/ブダペスト祝祭管弦楽団(2010)
CD(CAHANNEL CLASSICS CCS SA32112)

ストラヴィンスキー/管弦楽作品集
1.バレエ音楽「春の祭典」
2.バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
3.ロシア風スケルツォ(オーケストラ版)
4.タンゴ(フェリックス・ギュンター編)

  イヴァン・フィッシャー指揮
   ブダペスト祝祭管弦楽団
   録音 2010年12月

 イヴァン・フィッシャーがブダペスト祝祭を指揮したストラヴィンスキーです。
 「春の祭典」は冒頭のファゴットのソロがきれいです。木管楽器の響きの良さもまた素晴らしいものです。「春のきざし」は良い響きを出しています。パーカッションの大音響も聴きものです。ホルン・ソロはきれいな響きで好印象です。「誘拐」のパーカッションの響きは抜群、ホルンの強奏もよく響きます。「春のロンド」ではタムタムと大太鼓の迫力が素晴らしい。「敵対する町の遊び」は勢いがあり、緊張感も感じられます。「賢者の行進」では強奏のなかでもギロがよく響きます。「大地の踊り」はそのスピード感とパーカッションの迫力には圧倒されます。
 第2部の序奏はよい響きで緊張感があります。「乙女の神秘的な踊り」で聞かれるホルンはきれいな響きです。「いけにえの賛美」の前の和音から緊張感があって「いけにえの賛美」もまた凄いです。管楽器とパーカッションの迫力が素晴らしい。タムタムの響きが鮮やかです。「祖先の呼び出し」はティンパニの強打とバスドラムのクレッシェンドが凄いです。「祖先の儀式」でのホルンの強奏は見事な響き、パーカッションも素晴らしい。「いけにえの踊り」の圧倒的な演奏、後半の緊張感が素晴らしい。タムタムの響きがよく聞こえます。最後はピカドンの二度打ちです。素晴らしい演奏です。
 「火の鳥」は1919年版の組曲ですが、弦と管のバランスがよくこの曲の特徴的な響きを見事に出しています。「カスチェイ王の魔の踊り」の迫力、「子守歌」のファゴットの素晴らしい響き、「フィナーレ」冒頭のホルン・ソロの美しい響き、そして続く厚い響きと素晴らしい演奏です。
 「ロシア風スケルツォ」はジャズバンドのための作品でしたが、1944年にオーケストラ用に編曲されました。短い作品ですが、ピアノやハープも入る大編成の演奏は迫力があります。
 「タンゴ」はピアノ曲をフェリックス・ギュンターが編曲したものです。サックスやギターが入るオーケストラで演奏されています。短い作品です。


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