「海」の演奏(2)

チョン・ミュンフン/フランス放送フィルハーモニー管弦楽団(2002)
CD-R(Sounds Supreme 2s-033)

1.ドビュッシー/交響詩「海」
2.ブルックナー/交響曲第4番変ホ長調
             「ロマンティック」
  チョン・ミュンフン指揮
   フランス放送フィルハーモニー管弦楽団
  録音 2002年2月23日ライヴ
    
 チョン・ミュンフンは2000年からフランス放送フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督をつとめています。
 ドビュシーの「海」は冒頭夜明けのハープが素晴らしい響きで、日の出のヴァイオリンのワンフレーズがなんともいえません。管楽器の響きも素晴らしい演奏です。フランスのオーケストラのドビュッシーは一味違います。コーダは打楽器の響きが素晴らしい。
第2曲「波の戯れ」は管楽器の美しい響きが聞き物。ハープとグロッケンもよく響きます。波の輝きのシンバルがきまっています。第3曲「風と海との対話」では冒頭の低弦の響きが見事です。弦の刻みの鮮やかこと、目からうろこの演奏です。ホルンと弦楽の対話もきれいです。荒れた海の凄まじい表現がまた凄い。後半の合いの手パッセージは挿入されませんがまさに大音響、圧倒的な演奏です。
 ブルックナーの交響曲第4番は冒頭のホルンにミスがあるものの、実に素晴らしい響きのブルックナーになっています。第2楽章のロマッティックな旋律はこの曲の聞き所です。同じフレーズが続くブルックナーですが緩徐楽章ではそれがなくて癒されます。第3楽章のホルン・アンサンブルはこの曲の特徴でもあります。明るい響きの管楽器が素晴らしい。フィナーレは弦楽と管楽器の厚い響きが見事に調和されたもので、まさにブルックナーの完成された響きです。終結を聞いてノヴァーク版とわかります。


トップへ
戻る
前へ
次へ