チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲の演奏

アナスタシア・チェボタリョーワ(2003)
CD(SEVEN SEAS KICC 420)

アナスタシア/ヴァイオリン協奏曲集
1.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
                 ニ長調Op35
2.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
                 ホ短調Op64
  アナスタシア・チェボタリョーワ(ヴァイオリン)
   アレクサンドル・アニシモフ指揮(1)
      ユーリ・トカチェンコ指揮(2)
       ロシア・シンフォニー・オーケストラ
  録音 2003年6月27日〜7月1日

 アナスタシアは1994年のチャイコフスキー国際コンクールで1位なしの2位入賞という経歴を持つロシアのヴァイオリニスト、1996年にモスクワ音楽院を卒業しています。オイストラフと同じオデッサで生まれています。ロシア・シンフォニー・オーケストラは1998年創設のオーケストラで前身はロシア・フィルハーモニーです。
 チャイコフスキーの協奏曲は力みのない美しい演奏です。1729年製のストラディヴァリを十分に鳴らしての演奏です。カデンツァはテンポを変えながら十分に響かせるところはさすがです。第3楽章冒頭のソロはたっぷりと歌う演奏です。主部では鮮やかなボーイングを見せてくれます。
 メンデルスゾーンの協奏曲は冒頭、情感豊かに弾いています。聴きなれたこの名曲に新たな解釈といえるでしょう。バックのオーケストラを抑えていてヴァイオリンが一層引き立っています。第2楽章の美しさ、第3楽章の弾むようなリズムでは鮮やかなボーイングを披露しています。
 アナスタシアの演奏は派手さは感じませんが美しいヴァイオリン協奏曲になっています。


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