チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲の演奏

川久保 賜紀(2004)
CD(avex AVCL−25018)
 
1.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
                 ホ短調Op64   
2.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
                 ニ長調Op35
  川久保 賜紀(ヴァイオリン)
  下野 竜也指揮
   新日本フィルハーモニー交響楽団
    2004年4月12〜14日録音
      すみだトリフォニーホール

 川久保賜紀はアメリカ生まれで、ジュリアード音楽院のドロシー・ディレイの門下生になります。2002年のチャイコフスキー国際コンクールで1位なしの2位を受賞しています。使用楽器は1707年製のストラディヴァリ「カテドラル」という名器。
メンデルスゾーンはゆったりとした冒頭で奏でるストラディヴァリの音色が艶やかで、弾く毎にその弓使いの巧みさに惹かれます。説得力のある演奏であり、このあまりにも有名な曲を先入観なしに弾いているようです。ヴァイオリンの響きもさることながら響く音の美しさに驚きます。
 チャイコフスキーはコンクールの時よりも第1、第2楽章のテンポは遅めになっていて歌うことに徹しているようです。音色はやわらかでこれもまた印象の異なる味わい深い演奏です。第3楽章の序奏の表現はテンポの変化が見事です。レガート奏法がここでは生きています。


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