ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

アラベラ・美歩・シュタインバッハー(2007)
CD(ORFEO C752 111A)

1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
      (カデンツァ:ヨアヒム)
  24:32/9:46/8:04(42分22秒)
2.シューマン/交響曲第4番ニ短調Op120

 アラベラ・美歩・シュタインバッハー(ヴァイオリン)
 ファビオ・ルイジ指揮
   ウィーン交響楽団
 録音 2007年12月11日(1)
     ウィーン/ムジークフェライン・ライヴ
     2007年4月30日&5月2日(2)
     ウィーン/コンツェルトハウス・ライヴ

 アラベラ・美歩・シュタインバッハーは1981年生まれのドイツのヴァイオリニストです(母が日本人)。9歳でミュンヘン音楽大学に入学、2004年にCDデビューしています。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲はファビオ・ルイジとの共演です。アラベラのヴァイオリンは美しい音色で気品のある演奏です。オーケストラとの相性もよくムジークフェラインによく響きます。展開部は遅めのテンポながら大変表現力豊かに歌っています。2本のホルンが歌うところからはヴァイオリンの重音の力強い響きが聴かれます。カデンツァはヨアヒムのもので丁寧に弾いています。ホールによく響きます。コーダではテンポを落として感動的な演奏になっています。第2楽章はオーボエのソロのあとにヴァイオリンが美しい主題を歌い、ホルンとの対話もきれいです。ウィンナホルンの響きがきれいです。この楽章はヴァイオリンの美音を堪能できます。第3楽章はヴァイオリンの力強い演奏、オーケストラの厚い響きが流れます。この演奏はブラームスの響きを堪能できる名演です。アラベラのヴァイオリンも素晴らしい演奏です。
 シューマンの交響曲第4番はコンツェルトハウスでの演奏会です。この作品はシューマンの交響曲の中でも演奏頻度は多いと思われますが、シンフォニーの響きとしては大変よくできています。また各楽章が切れ目なく演奏されています。第2楽章は「ロマンツェ」で親しみやすい主題が流れます。またヴァイオリンのソロが入るところはブラームスの交響曲第1番と同じです。第3楽章はスケルツォは力強い響きの演奏です。トリオの優しい響きがきれいです。第4楽章は序奏が劇的、主部は勢いのある主題が流れます。コーダの迫力とスピード感もあってこの演奏は素晴らしい。名演です。


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