ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ワディム・レーピン(2008)
CD(DGG UCCG−1442)

レーピン/シャイー/ブラームス/協奏曲集
1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
    (カデンツァ:ハイフェッツ)
  22:41/9:06/7:48(計39分35秒)
2.ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための
       二重協奏曲イ短調Op102

  ワディム・レーピン(ヴァイオリン)(1&2)
  トゥルルス・モルク(チェロ)(2)
  リッカルド・シャイー指揮
   ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
    2008年8月録音

 この録音はレーベルの契約を越えた組み合わせによる共演になりました。同じユニバーサル・ミュージック傘下のフィリップスからドイツ・グラモフォンに移籍したレーピンと、同じ傘下のDECCAのシャイーはともかくEMIのVirgin Classicsのモルクが共演しての録音はうれしいことでしょう。
 レーピンのヴァイオリン協奏曲は2003年のライヴとほぼ同じような演奏です。シャイーのサポートの違いから少し演奏時間が短くなっています。力強い演奏は見事です。またゲヴァントハウスの響きは素晴らしいです。カデンツァはハイフェッツのものですが大変見事で、舞伴奏ヴァイオリンの作品として完成されたものになっています。第2楽章は繊細なヴァイオリンがきれいです。第3楽章ではオーケストラと対等に力強いヴァイオリンを弾ききっています。
 モルクのチェロが加わるダブル・コンチェルトは実に見事に調和された協奏曲になっています。ノルウェー出身のモルクは音色が似ているレーピンとの共演を喜んでいたようで、確かにこの曲は巨匠同士のぶつかりあいの演奏も多いですが、本来完成された音楽を求めるには音の調和がなければコンチェルトになりません。信頼しあった演奏家が作るからこそ名演が生まれます。時にはヴァイオリンの音なのかチェロの音なのかわからないほどの融合の素晴らしさがあります。


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