チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲の演奏

吉田 恭子(2009)
CD(Yamaha QACR-30005)
 
1.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
                 ニ長調Op35
2.グラズノフ/瞑想曲Op32
3.マスネ/タイスの瞑想曲

  吉田 恭子(ヴァイオリン)
  広上 淳一指揮
   オーケストラ・アンサンブル金沢
   録音 2009年5月26&27日
      石川県立音楽堂コンサートホール

 吉田恭子はオーケストラ・アンサンブル金沢とは2002年にメンデルスゾーンの協奏曲を録音していました。これは7年ぶりの共演でチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲などを録音したアルバムです。
 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は表現力の豊かなヴァイオリンが印象的です。録音もよくオーケストラの響きも豊かです。第1楽章の主題の歌い方は素晴らしいものです。展開部のヴァイオリンもまた見事な演奏です。カデンツァは珍しくピツィカートを使いませんが見事な演奏です。再現部の演奏はオーケストラも素晴らしい響きです。第2楽章は弱音器を付けたソロ・ヴァイオリンのしっとりとした響きが美しい。オーケストラの弦楽にも弱音器が使われています。このカンツォネッタはチャイコフスキーの哀愁的な主題の美しさがあります。第3楽章は冒頭から力強いヴァイオリンが聴かれます。広上のサポートは素晴らしいものでオーケストラの整然とした響きは見事です。この演奏は素晴らしい。
 グラズノフの「瞑想曲Op32」はヴァイオリンとオーケストラのための小品です。ピアノ伴奏で演奏されることもありますがオーケストラ伴奏で聴くと抒情的な音楽が一層引き立ちます。ヴァイオリンの響きが実に素晴らしい。
 マスネの「タイスの瞑想曲」はピアノ伴奏でも演奏されるヴァイオリンの定番小品ですが、もとはオペラ「タイス」の間奏曲です。ハープにのって始まるこの抒情的な美しいメロディは永遠の愛奏曲となるでしょう。この演奏もまた絶品です。


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