ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

バイバ・スクリデ(2009)
CD(ORFEO C829 112A)

1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
         (カデンツァ:ヨアヒム)
2.  〃  /ハンガリー舞曲集(ヨアヒム編)

  バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)
  サカリ・オラモ指揮
  ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団(1)
  ラウマ・スクリデ(ピアノ)(2)
   録音 2009年1月29日ライヴ(1)
       2010年11月7〜9日(2)

バイバ・スクリデ(1981〜)はラトビア出身のヴァイオリニストで2001年のエリザベート王妃国際コンクールで優勝しています。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲は繊細で美しい響きのヴァイオリンが流れます。ホール一杯に響くオーケストラと透明感のあるヴァイオリンがきれいです。録音の良さは抜群です。気持ち良いほど自然な響きです。ホルンもきれいな響きです。カデンツァはヨアヒムのものを弾いています。ストラディヴァリウス「ウィルヘルミ」の高貴な響きが素晴らしい。美しい演奏です。第2楽章はオーボエの美しい主題とホルンの響きが聴きどころ。ヴァイオリンの美しい響きと管楽器の対話がまた素晴らしい。この楽章はヴァイオリンのすすり泣きに感動しきりです。第3楽章はヴァイオリンの力強い演奏で始まります。オーケストラも厚い響きを出しています。スクリデのヴァイオリンも熱が入ります。
 21のハンガリー舞曲集はヨーゼフ・ヨアヒムの編曲によるピアノ伴奏による演奏です。ラウマ・スクリデは妹です。息の合った演奏は素晴らしいものです。デュオだけにバイバ・スクリデは伸び伸びと自由に演奏しています。第1番から見事な響きです。なお、この演奏ではストラディヴァリウス「エクス・バロン・フォン・ファイリッチュ(1735製)」を使用しています。第2番の勢いのある演奏、第3番の喜びに満ちたような演奏、第4番では哀愁的な主題がまた素晴らしい演奏です。第5番ではチャールダッシュの速いフレーズが見事な演奏です。第6番も勢いのある演奏、第7番はスキップしたくなるような快活さがあります。以下第21番まで飽きさせないヴァイオリンの素晴らしい演奏が聴かれます。


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