シベリウス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

フランク・ペーター・ツィンマーマン(2008)
CD(ONDINE ODE1147-2)

シベリウス/作品集
1.ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op47
2.音詩「吟遊詩人」Op64
3.管弦楽のためのバラード「森の精」Op15

フランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン)(1)
  ジョン・ストルゴーズ指揮
   ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団
   録音 2008年11月19&20日(1)
       2010年1月29日(3)
       2010年3月18日(2)

 ジョン・ストルゴーズの指揮するシベリウスの作品です。ヴァイオリン協奏曲のソロはドイツのツィンマーマンです。
 シベリウスのヴァイオリン協奏曲は冒頭、弱音から徐々に音量を上げてきますので思わず耳をそばだててしまいます。オーケストラは良い響きで盛り上がってきます。中間部の重音ソロはよい響きです。ヴィオラとの対話もきれいです。そのあとにオーケストラの圧倒的なクライマックスがあります。ヘルシンキのシベリウスは迫力があります。続くカデンツァは力の入る演奏です。重音が巧みな見事な演奏です。後半はオーケストラに支えられて気迫に満ちたヴァイオリンを聞かせています。第2楽章はオーケストラとのバランスもよくヴァイオリンがよく響いています。ストルゴーズのシベリウスも素晴らしいものです。第3楽章は冒頭の弾むようなヴァイオリンが力強く響きます。オーケストラの間奏のあとのヴァイオリン・ソロは厚い響きで奏でられています。後半はオーケストラに支えられながら重音を響かせていて力がこもってきます。オーケストラの迫力ある演奏は素晴らしい。
 音詩「吟遊詩人」はハープの響きが大変印象的な作品です。吟遊詩人の持つハープが随所に表れます。シベリウスの作品の中でも異色の作品です。後半の弦楽の抒情的な主題も美しい響きです。
 管弦楽のためのバラード「森の精」は初期の作品ですがシベリウスの作品らしさがすでにできています。壮大なフィンランドの森の情景が伝わってきます。24分の大作です。


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