チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲の演奏

三浦 文彰(2015)
CD(avex Classics AVCL25878)

1.チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
               ニ長調Op35
2.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
               ホ短調Op64

  三浦 文彰(ヴァイオリン)
  ハンヌ・リントゥ指揮
   ベルリン・ドイツ交響楽団
  録音 2015年6月11〜13日
  ベルリン、テルデックス・スタジオ

 三浦文彰(1993〜)は東京生まれ、両親ともにヴァイオリニストの音楽一家に生まれ、3歳よりヴァイオリンを始め、6歳から徳永二男氏に師事、2009年にはハノーファー国際コンクールで史上最年少の16歳で優勝という経歴を持ちます。
 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は序奏のあとに情感たっぷりにヴァイオリンを歌っていく表現力の豊かさに感心しました。主部においても三浦のこの曲に対する意気込みがよくわかります。チャイコフスキーの音楽を演奏しているということを感じます。展開部は丁寧にレガートを使いながら熱い表現です。カデンツァはヴァイオリンの表現力を駆使した見事な演奏です。再現部はオーケストラと共に整然とした演奏でコーダは迫力があります。第2楽章の「カンツォネッタ」は弱音器を使うヴァイオリンの響きがやわらかで印象的です。この哀愁的な主題を表現力豊かに歌っています。木管との対話が大変きれいです。第3楽章は冒頭のヴァイオリン・ソロで鮮やかな演奏が流れます。力強いヴァイオリンとオーケストラの調和のとれた演奏です。中間部でホルンが追いかけるところはホルンが素晴らしい響きです。木管との対話もきれいです。コーダの勢いのある演奏も素晴らしい。
 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は流麗で美しい響きの演奏が聴かれます。カデンツァは豊かな響きで見事な演奏です。再現部は繊細なヴァイオリンがきれいです。切れ目なく続く第2楽章はしなやかに哀愁的な主題が歌われます。中間部の重音のソロは大変美しい演奏です。切れ目なく続く第3楽章は鮮やかな演奏です。速いテンポで木管と共に奏でる響きの良さが素晴らしい。オーケストラとのバランスも良くさわやかな演奏です。大変美しい響きのヴァイオリン協奏曲です。


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