ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

堀米 ゆず子(2013)
CD(EXTON OVCL-00609)

1.ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op26
2.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
     (カデンツァ:ヨアヒム)

  堀米 ゆず子(ヴァイオリン)
  アレクサンドル・ラザレフ指揮
   日本フィルハーモニー交響楽団(1)
  ジョアン・ファレッタ指揮
   チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(2)
  録音 2015年6月12&13(1)
      サントリーホール・ライヴ
      2013年8月27&28日(2)
      プラハ、ドヴォルザークホール  

 堀米ゆず子の日本フィルとのブルッフのライヴとチェコで録音したブラームスのヴァイオリン協奏曲です。
 ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番はティンパニのトリルから始まり前奏と共にヴァイオリン・ソロが哀愁的なメロディを歌います。堀米ゆず子のヴァイオリンは瑞々しい響きのヴァイオリンで大変美しい演奏です。オーケストラも厚みがあり大変雄大な響きです。サントリーホールの響きの奥深さがヴァイオリンの響きを一層引き立てています。再現部の劇的な響きも感動的です。切れ目なく続く第2楽章は繊細な響きのヴァイオリンが素晴らしい。オーケストラとのバランスもいうことありません。第3楽章の重音の主題の演奏もまた絶品、楽器がよく鳴っています。第2主題の目まぐるしく動く主題も素晴らしい響きです。このブルッフはラザレフのサポートで大変な名演になっています。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲はチェコ・フィルとの共演です。第1楽章は冒頭から厚い響きのオーケストラが聴かれます。堀米ゆず子のヴァイオリンは対等に力強い響きを出しています。ハイトーンもホールによく響きます。展開部でもオーケストラとの調和のとれたよい響きが聴かれます。カデンツァはヨアヒムのものを弾いています。力強い響きの素晴らしい演奏です。コーダの繊細な表現が素晴らしい。第2楽章は冒頭のオーボエとホルンの美しい響きが聴きものです。そしてヴァイオリンの繊細な響きが哀愁的な主題を一層美しいものにしています。ホルンとの掛け合いもきれいです。続くヴァイオリンの主題もまた美しいものでこの楽章の聴きどころです。第3楽章は力強いヴァイオリンが響きます。緊張感のある演奏です。オーケストラの響きも素晴らしいものです。
後半の勢いのある演奏も聴きものです。チェコ・フィルの演奏にも感動です。文句なしの名演と言えます。


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