ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ルノー・カピュソン(2009)
CD(Virgin Classics AVCL-25478)

カピュソン/ヴァイオリン協奏曲集
1.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
     (カデンツァ:クライスラー)
2.コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op35

  ルノー・カピュソン(ヴァイオリン)
  ヤニック・ネゼ=セガン 指揮
  ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
    録音 2009年7月7〜9日

 ルノー・カピュソン(1976〜)はフランスのヴァイオリニストです。ポルタメント奏法などを使うフランコ・ベルギー派を受け継いでいます。
 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調はヤニック・ネゼ=セガンの指揮で緊張感漂うオーケストラに支えられてヴァイオリンの美しい音が聴かれます。絶妙なポルタメントは20世紀の巨匠を思わせます。カデンツァはクライスラーのものを弾いています。これは滑らかな素晴らしいカデンツァです。第2楽章は美しい響きを出しています。ホルンとの対話もきれいです。第3楽章では絶妙なポルタメントが聞きものです。オーケストラの緊張感のある演奏はここも素晴らしい。カピュソンのヴァイオリンが充実した響きを聞かせてくれます。
 コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は1947年にハイフェッツによって初演されました。第1楽章でカピュソンのはオーケストラと共に魅惑的な響きを出しています。この協奏曲のイメージを一新するような録音です。ハープの演奏効果も素晴らしく、20世紀アメリカの作品としても魅力あふれる作品といえます。第2楽章:ロマンスはヴァイオリンの魅惑的な響き、ハープの美しさも素晴らしく、第3楽章は速いテンポでアメリカ的な雰囲気が感じられます。演奏は文句なしの名演奏です。


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