ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

ジャニーヌ・ヤンセン(2009)
CD(DECCA 4781530)

1.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
     (カデンツァ:クライスラー)
2.ブリテン/ヴァイオリン協奏曲Op15

  ジャニーヌ・ヤンセン(ヴァイオリン)
  パーヴォ・ヤルヴィ指揮
  ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団(1)
  ロンドン交響楽団(2)
  録音 2009年7月31日〜8月2日(1)
      2009年7月18&19日(2)

 オランダ出身のヴァイオリニスト、ジャニーヌ・ヤンセンは1978年生まれ、14歳でデビューしています。
 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲はパーヴォ・ヤルヴィの引き出す重厚なオーケストラに支えられてヤンセンが実によく鳴ってくれるストラディヴァリウスを奏でています。このヴァイオリンは1727年製のバレールという名の楽器で大変魅力的な響きが聴かれます。オーケストラに負けない厚い響きを出しています。カデンツァはクライスラーのもので、これは見事な演奏です。ストラディヴァリウスらしい響きです。第2楽章はファゴットとの対話がきれいです。後半の2本のホルンとの対話もまた繊細です。第3楽章では軽やかな演奏と重厚な響きがたまりません。ベートーヴェンらしい響きの演奏です。
 ブリテンのヴァイオリン協奏曲はベートーヴェン同様ティンパニで始まります。この特徴的なリズムがその後もオーケストラで演奏されます。ヴァイオリン独奏は華やかで緊張感もあります。ロンドン交響楽団はブリテンの響きを見事に奏でています。ヤンセンが特徴的なリズムを弾くと緊張感が漂います。第2楽章はヴィヴァーチェでオーケストラが賑やかです。またヴァイオリンの重音奏法が鮮やかです。長いカデンツァが入ります。切れ目なく入る第3楽章はパッサカリア、遅いテンポです。ここでブリテンは弦楽に厚みをもたせています。ヴァイオリン・ソロとの掛け合いは見事です。


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