2000年以後の「春の祭典」

ジョナサン・ノット/東京交響楽団(2017)
CD(EXTON OVCL-00658)

1.ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」
2.シェーンベルク/浄められた夜Op4

  ジョナサン・ノット指揮
   東京交響楽団
   録音 2017年7月22日ライヴ
   ミューザ川崎シンフォニーホール

 ジョナサン・ノットが東京交響楽団を指揮したストラヴィンスキーとシェーンベルクです。
 ストラヴィンスキーの「春の祭典」は冒頭のファゴットのソロが大変きれいです。ホールの良さもありそうです。続く木管楽器の響きの良さもまたいうことありません。大変素晴らしいものです。「春のきざし」も良い響きを出しています。パーカッションの大音響も聴きものです。ホルン・ソロが大変きれいな響きで聞かれます。「誘拐」のパーカッションの響きは抜群、金管とホルンの強奏もよく響きます。「春のロンド」では弦楽の厚み、タムタムと大太鼓の迫力が素晴らしい。「敵対する町の遊び」は勢いがあり、金管の迫力ある演奏も凄いです。「賢者の行進」は素晴らしい演奏です。「大地の踊り」はそのスピード感とパーカッションの圧倒的な迫力には驚きます。
 第2部の序奏はよい響きで緊張感を感じます。「乙女の神秘的な踊り」で聞かれるホルンはきれいな響きです。「いけにえの賛美」の前の和音から大迫力で、「いけにえの賛美」もまた凄いです。管楽器とパーカッションの迫力が素晴らしい。大太鼓の響きには圧倒されるようです。「祖先の呼び出し」はティンパニの強打とバスドラムのクレッシェンドが凄いです。「祖先の儀式」でのホルンの強奏は見事な響きと弦楽の厚み、パーカッションも素晴らしい。「いけにえの踊り」の圧倒的な演奏、後半の緊張感が素晴らしい。金管とパーカッションの響きが厚いです。最後はピカドンの二度打ちでなおもティンパニがドドンと叩いてくれて感激でした。これは素晴らしい演奏です。
 シェーンベルクの「浄められた夜」は弦楽合奏版による演奏です。原曲は弦楽六重奏すが、弦楽合奏でコントラバスの厚みが加わって感動的な響きになります。「浄められた夜」というリヒャルト・デーメルの詩に基づく作品で穏やかな部分と激しい部分があります。30分ほどの大作で単一楽章の作品です。弦楽の圧倒的な響きには感動です。


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