2000年以後の「春の祭典」

リッカルド・シャイー指揮/ルツェルン祝祭管弦楽団(2017)
CD(DECCA 483 2562)

ストラヴィンスキー/管弦楽作品集
1.葬送の歌Op5
2.幻想曲「花火」Op4
3.幻想的スケルツォOp3
4.組曲「牧神と羊飼いの娘」Op22
5.バレエ音楽「春の祭典」

 ソフィー・コッホ(メゾ・ソプラノ)(4)
 リッカルド・シャイー指揮
  ルツェルン祝祭管弦楽団
 録音 2017年8月16、17&19日ライヴ
スイス、ルツェルン・カルチャー・コングレスセンタ

 リッカルド・シャイーとがルツェルン祝祭管弦楽団を指揮したストラヴィンスキーの作品です。
 「葬送の歌」は2015年に発見された幻の作品で、リムスキー=コルサコフの追悼曲として作曲されていました。これが世界初録音になります。初期の作品でリムスキーの影響を受けただけに素晴らしい作品です。10分ほどの作品です。
 幻想曲「花火」は初期の作品。短い小品です。花火がどんどん上がっていく様子が音楽で表現されています。静寂の部分と大迫力の部分が素晴らしい響きになっています。 
 「幻想的スケルツォ」も初期の作品です。リムスキーの影響を受けていることがよくわかります。11分を超える素晴らしい作品です。まさに幻想的な作品です。
 組曲「牧神と羊飼いの娘」は1905〜6に書かれた初期の声楽作品でプーシキンの詩から書かれたものです。第1曲「羊飼いの娘」、第2曲「牧神」、第3曲「奔流」となっていてメゾ・ソプラノの歌唱で歌われています。オーケストラの響きはリムスキーの作品のように美しいです。
 バレエ音楽「春の祭典」は冒頭のファゴットのソロが大変きれいです。続く木管楽器の響きの良さもまたいうことありません。クラリネットがよく響きます。ピッコロ、コールアングレも大変素晴らしいものです。「春のきざし」も良い響きを出しています。パーカッションの大音響も聴きものです。ホルン・ソロが大変きれいな響きを出しています。「誘拐」のパーカッションの響きは抜群、金管とホルンの強奏もよく響きます。「春のロンド」では弦楽の厚み、タムタムと大太鼓の迫力が素晴らしい。金管の迫力ある響きも抜群。「敵対する町の遊び」は勢いがあり、金管の迫力ある演奏も凄いです。「賢者の行進」は素晴らしい演奏です。「大地の踊り」はそのスピード感とパーカッションの圧倒的な迫力は素晴らしいものです。
 第2部の序奏はよい響きで緊張感を感じます。「乙女の神秘的な踊り」で聞かれるアルトフルートとホルンはきれいな響きです。「いけにえの賛美」の前の和音から迫力があり、「いけにえの賛美」もまた凄いです。管楽器とパーカッションの迫力が素晴らしい。大太鼓の響きには圧倒されるようです。「祖先の呼び出し」はティンパニの強打とバスドラムのクレッシェンドが素晴らしい響きです。「祖先の儀式」でのホルンの強奏は見事な響きと弦楽の厚み、パーカッションも素晴らしい。「いけにえの踊り」の圧倒的な演奏、後半の緊張感が素晴らしい。金管とパーカッションの響きが厚いです。タムタムの響きもよく聞こえます。最後はピカドンの前にちょっと間をおいて二度打ちで終わります。これは大変素晴らしい演奏です。絶賛したい名演です。


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