2000年以後の「春の祭典」

サー・サイモン・ラトル/ロンドン交響楽団(2017)
CD(LSO LSO5096)2枚組

サイモン・ラトル/ストラヴィンスキー名演集
1.バレエ音楽「火の鳥」全曲(1910年版)
2.バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)
3.バレエ音楽「春の祭典」(1947年版)

 サー・サイモン・ラトル指揮
  ロンドン交響楽団
  録音 2017年9月21&24日ライヴ

 サー・サイモン・ラトル指揮のロンドン交響楽団による、ストラヴィンスキーの三大バレエ音楽です。
 バレエ音楽「火の鳥」は1910年版による全曲演奏です。導入部の整然とした演奏、第1場では「イワン王子の突然の登場」から「王女たちのロンド」の美しい響きはこの作品の聴きどころでもあります。迫力の「カスチェイ王の凶暴な踊り」から「子守歌」も組曲でおなじみのところです。「子守歌」のファゴット・ソロがきれいな響きです。第2場はホルンのソロに始まって迫力のフィナーレになります。素晴らしい演奏です。

 バレエ音楽「ペトルーシュカ」は第1場「謝肉祭の日」冒頭から速めのテンポでフルートの鮮やかな演奏が素晴らしい。弦楽の厚みのある演奏と金管の響き、これも素晴らしい。演奏に勢いがあり、緊張感もまた凄いです。最後のフルート・ソロが素晴らしい。「ロシアの踊り」ではピアノが聞こえてきます。ここでもフルート、ピッコロは強烈です。第2場「ペトルーシュカの部屋」のピアノが大変きれいです。ピアノに乗ったフルートもきれいです。第3場「ムーア人の部屋」のトランペット・ソロは滑らかで完璧です。続く「ワルツ」のファゴット、フルート、トランペットの掛け合いは素晴らしい演奏です。第4場「謝肉祭の市」は勢いのある演奏で良い響きです。「乳母の踊り」ではホルンが良い響きです。「熊を連れた農夫の踊り」はテューバとクラリネットの対話がよい響きです。この「ペトルーシュカ」も素晴らしい演奏です。絶賛したいと思います。

 バレエ音楽「春の祭典」は冒頭のファゴットのソロがきれいに響きます。続く木管楽器の響きの良さもまたいうことありません。クラリネットがよく響きます。ピッコロ、コールアングレも大変素晴らしいものです。「春のきざし」も良い響きを出しています。パーカッションの大音響も聴きものです。ホルン・ソロが大変きれいな響きを出しています。「誘拐」のパーカッションの響きは抜群、金管とホルンの強奏もよく響きます。「春のロンド」では弦楽の厚み、タムタムと大太鼓の迫力が素晴らしい。金管の迫力ある響きも抜群。「敵対する町の遊び」は勢いがあり、金管の迫力ある演奏も凄いです。「賢者の行進」は素晴らしい演奏です。「大地の踊り」はそのスピード感とパーカッションの圧倒的な迫力は素晴らしいものです。
 第2部の序奏はよい響きで緊張感を感じます。「乙女の神秘的な踊り」で聞かれるアルトフルートとホルンはきれいな響きです。「いけにえの賛美」の前の和音から迫力があり、「いけにえの賛美」もまた凄いです。管楽器とパーカッションの迫力が素晴らしい。大太鼓の響きには圧倒されるようです。「祖先の呼び出し」はティンパニの強打とバスドラムのクレッシェンドが素晴らしい響きです。「祖先の儀式」でのホルンの強奏は見事な響きと弦楽の厚み、パーカッションも素晴らしい。「いけにえの踊り」の圧倒的な演奏、後半の緊張感が素晴らしい。金管とパーカッションの響きが厚いです。タムタムの響きもよく聞こえます。圧倒的な迫力です。最後は少し間をおいて一打で終わります。これは大変素晴らしい演奏です。絶賛したい名演です。


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