2000年以後の「春の祭典」

パーヴォ・ヤルヴィ/NHK交響楽団(2019)
CD(RCA SICC-19055)

ストラヴィンスキー/作品集
1.幻想曲「花火」Op4
2.幻想的スケルツォOp3
3.ロシア風スケルツォ
4.葬送の歌Op5
5.バレエ音楽「春の祭典」(1947改訂/1967新版)

 パーヴォ・ヤルヴィ指揮
  NHK交響楽団
 録音 2019年2月20&21日
     サントリーホール・ライヴ

 パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団の第1908回定期公演のライヴ録音です。ストラヴィンスキーの作品集です。
 幻想曲「花火」は1909年に初演された作品。冒頭から華麗な響きが流れます。まさに花火大会の会場の様子を描いたような作品です。静かになるとまた盛りあがります。ピッコロの響きは花火の輝きのようです。そしてパーカッションが花火の音を表現しています。見事な演奏です。拍手ですね。
 「幻想的スケルツォ」も「花火」と同じ日に初演されています。まさに幻想的な響きの演奏です。このスケルツォは楽しそうです。ピッコロやファゴットのきれいな響きも聴かれます。中間部にはホルンも良い響きが聴かれます。初期の作品だけにロマン的な主題と響きが流れます。後半にも木管とホルンの良い響きが流れます。見事な演奏です。
 「ロシア風スケルツォ」は1945年にジャズオーケストラのために書かれた作品です。これを管弦楽版にアレンジして演奏しています。冒頭からトランペットや金管が迫力のある演奏です。ジャズ風の作品ですから勢いがあります。これは素晴らしい演奏です。
 「葬送の歌」は1908年に亡くなった恩師リムスキー・コルサコフを偲んで書かれた作品です。1909年に初演されています。哀愁的な響きに始まります。そして美しい主題が木管と弦楽で歌われます。後半も素晴らしい演奏です。ストラヴィンスキー初期の作品としてはリムスキー・コルサコフの作風が感じられる名曲です。

 バレエ音楽「春の祭典」は冒頭のファゴットのソロがゆったりと、きれいに響きます。続く木管楽器の響きの良さもまたいうことありません。クラリネットがよく響きます。ピッコロ、イングリッシュホルンも大変素晴らしいものです。「春のきざし」は弦楽が厚い響きを出しています。パーカッションの大音響も聴きものです。ホルン・ソロが大変きれいな響きを出しています。「誘拐」のパーカッションの響きは素晴らしいです。金管とホルンの強奏もよく響きます。「春のロンド」では弦楽の厚みが素晴らしい響きです。タムタムと大太鼓の迫力が凄いです。金管の迫力ある響きも見事です。「敵対する町の遊び」は勢いがあり、金管の迫力ある演奏も凄いです。感動ものです。「賢者の行進」は素晴らしい演奏です。パーカッションの響きも見事な演奏です。「大地の踊り」はそのスピード感とパーカッションの圧倒的な迫力は素晴らしいものです。見事な演奏です。
 第2部の序奏はよい響きで緊張感があります。「乙女たちの神秘的な踊り」で聞かれるアルトフルートとホルンはきれいな響きです。「いけにえの賛美」の前の和音から迫力があり、「いけにえの賛美」もまた凄いです。管楽器とパーカッションの迫力が素晴らしい。緊張感があります。大太鼓の響きには圧倒されるようです。「祖先の呼び出し」はティンパニの強打と大太鼓のクレッシェンドが素晴らしい響きです。「祖先の儀式」ではイングリッシュホルンの良い響き、ホルンの強奏も見事な響きで、弦楽の厚みも素晴らしいです。パーカッションも素晴らしい響きです。「いけにえの踊り」の圧倒的な演奏は見事です。金管とパーカッションの響きが厚いです。後半の緊張感が素晴らしい。タムタムの響きもよく聞こえます。圧倒的な迫力です。最後は少し間をおいてピカドンで終わります。これは大変素晴らしい演奏です。絶賛したい名演です。


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