
「春の祭典」の演奏(ピアノ版)
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CD(OdradekODRCD301)
ピアノ・デュオ 樋尾真澄&美保/春の祭典
1.ストラヴィンスキー/春の祭典(ピアノ連弾版)
2.ヒンデミット/4手のためのピアノ・ソナタ (1938)
3.ラヴェル/スペイン狂詩曲(ピアノ連弾版)
デュオ樋尾真澄&美保(ピアノ)
録音 2011年8月
ピアノ・デュオ 樋尾真澄&美保による「春の祭典」とヒンデミット、ラヴェルの演奏です。
ストラヴィンスキーの「春の祭典」のピアノ版は2台のピアノによる演奏が一般的ですが、この演奏はストラヴィンスキー自身による連弾のための編曲で、1台のピアノを2人で弾いています。二人の息があわないとうまくいかない複雑な曲ですが、じつによく息の合う夫婦のようで2台のピアノのように響きます。「春のきざし」の和音は良い響きで続く流れのスムーズなこと、「誘拐」のスピード感、「春のロンド」ではピアノの響きのよさをを改めて教えてくれます。そして強奏部分の迫力も素晴らしく、ピアノによる演奏もいいものだと感心します。「大地の踊り」の盛り上がりは見事です。
第2部は「序奏」の響きの良さ、「いけにえの賛美」では鍵盤をフルに使うサービス満点の演奏で嬉しくなります。グリッサンドがきれいです。「祖先の呼び出し」の重厚な音も迫力があります。「祖先の儀式」もきれいな演奏です。最後の「いけにえの踊り」の複雑なリズムの演奏は絶品といえましょう。終結も見事な演奏です。オーケストラよりも面白く、ピアノ版がオリジナルではないかと思うほどです。ピアノの表現力の豊富さをしめした名演です。
ヒンデミットの「4手のためのピアノ・ソナタ(ピアノ連弾のためのソナタ)」は1938年に書かれています。3つの楽章で構成されています。第1楽章はきれいな演奏です。第2楽章は速めのテンポで華麗な響きのピアノです。第3楽章は前半の部分のきれいな響き、後半の部分では4手ピアノらしい豪華な響きになります。ヒンデミットらしい作品です。
ラヴェルの「スペイン狂詩曲」はピアノ連弾による演奏です。作品自体は管弦楽の名曲です。第1曲「夜への前奏曲」、第2曲「マラゲーニャ」、第3曲「ハバネラ」、第4曲「祭り」となっています。第1曲の美しい響き、第2曲の豪快な響き、第3曲の「ハバネラ」はオーケストラを思い出させるきれいな演奏です。第4曲の「祭り」もオーケストラを思わせるような見事な演奏です。低音から高音までピアノの響きをたっぷり楽しめます。名演です。 |
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