ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

マンリコ・パドヴァーニ(2018)

CD(Ars Produktion ARS38585)

ベートーヴェン/ヴァイオリン作品集
1.ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
   (カデンツァ:パドヴァーニ)
2.ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス第2番
              ヘ長調Op50
3.ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調Op12-1

 マンリコ・パドヴァーニ(ヴァイオリン)
 ボリス・ペルノー指揮
  プラハ・フィルハーモニー管弦楽団(1)
  ロシア・フィルハーモニー管弦楽団(2)
 イゴール・ロンガート(ピアノ)(3)
 録音 2018年10月(1&2)
     2016年9月(3)
     ライヴ録音

 イタリア出身のスイス人ヴァイオリニスト、マンリコ・パドヴァーニのベートーヴェンです。
 ヴァイオリン協奏曲ニ長調は前奏から程よいテンポの演奏でヴァイオリンの美音をたっぷり楽しませてくれます。パドヴァーニのヴァイオリンは緊張感があり、力強い演奏です。ホールに響き渡るヴァイオリンが素晴らしいものです。そしてオーケストラも見事な演奏です。展開部の緊張感もいいです。再現部はヴァイオリンとオーケストラの厚い響きも素晴らしいです。カデンツァはパドヴァーニ自身のものです。力強い演奏でホール一杯に響きます。実に素晴らしい演奏です。第2楽章のラルゲットはホルンの響きと共に美しいヴァイオリンが奏でられます。きれいな響きでファゴットとの絡みも聴きどころです。美しさあふれる演奏です。中間部のオーケストラの響きは見事な演奏です。コーダのホルンとの掛け合いもきれいです。終結のカデンツァは短いです。第3楽章の演奏はよいテンポです。オーケストラと共にヴァイオリンがよく響きます。重音もきれいです。ここでもファゴットとの二重奏が素晴らしいものです。ホルンも良い響きです。カデンツァはここでも力強く豊かな響きを聴かせてくれます。見事な演奏です。そしてオーケストラの整然とした素晴らしい演奏も見事なものです。

 ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス第2番ヘ長調は「ヘ調のロマンス」として知られた名曲です。この美しいロマンスをパドヴァーニが演奏すると冒頭から大変美しいヴァイオリンが響きます。中間部もまたヴァイオリンの響きが素晴らしい演奏です。こちらも大変よい演奏です。

 ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調は1797〜98年の作品です。イゴール・ロンガートのピアノ伴奏による演奏です。第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「主題と変奏」、第3楽章「ロンド、アレグロ」になります。第1楽章はパドヴァーニの力強いヴァイオリンの演奏とロンガートの華麗なピアノによる演奏は素晴らしいものです。第2楽章はピアノが主題を演奏して、ヴァイオリンが次第に変奏していくようです。やがてピアノとヴァイオリンによる変奏曲のきれいな演奏が聴かれます。ベートーヴェンの深い響きがあります。第3楽章のロンドは楽しそうな雰囲気です。ピアノの華麗な響き、ヴァイオリンの力強い響きが素晴らしい演奏です。


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