ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

レオニダス・カヴァコス(2019)
CD(SONY SICC 30547-8)2枚組

ベートーヴェン/作品集
CD1
1.ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
   (カデンツァ:ベートーヴェン)
CD2
2.七重奏曲変ホ長調Op20
3.6つの民謡主題と変奏曲Op105より
   第3番「シュルッセルとラインドル」
4.10の民謡主題と変奏曲Op107より
   第1番「私はチロルブアです」
   第2番「すこやかな若者、ハイランドの若者」
   第6番「ペギーの娘さん」
   第7番「美しいミンカ」

 レオニダス・カヴァコス(ヴァイオリン&指揮)
  バイエルン放送交響楽団(1)
  レオニダス・カヴァコス(ヴァイオリン)(2〜4)
  ウォン・シャオ・ツェン(ヴィオラ)(2)
 ハノ・シモンズ(チェロ)(2)
 ハインリヒ・ブラウン(コントラバス)(2)
 クリストファー・コルヴェット(クラリネット)(2)
 マルコ・ポスティンゲル(ファゴット)(2)
 エリック・テルヴィリガー(ホルン)(2)
 エンリコ・パーチェ(ピアノ)(3&4)
 録音 2019年3月27〜29日(1)
     2019年5月10〜12日(2)
     2019年4月16〜18日(3&4)

 レオニダス・カヴァコスが指揮をしながらヴァイオリン協奏曲を演奏しています。
 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は第1楽章の冒頭から重厚な響きが聴かれます。カヴァコスのヴァイオリンは力強い響きで表現力が豊かな演奏です。オーケストラをよくコントロールしながらメリハリをつけたヴァイオリンの演奏は見事なものです。展開部のオーケストラは厚い響きでホール一杯に広がります。再現部も美しい響きが流れます。カデンツァはベートーヴェンがピアノ版用に書いたものをカヴァコスがヴァイオリン用にアレンジしたものを演奏しています。ティンパニが入りますので力強い演奏になります。カヴァコスの演奏はとりわけ素晴らしい響きになっています。第2楽章はラルゲット、序奏ののちホルンとクラリネットに呼応するように美しいヴァイオリンが歌います。中間部のオーケストラも厚い響きがきれいです。最後のカデンツァは力強い演奏です。長いものです。第3楽章は軽快なロンドです。オーケストラの重厚な響きがまた素晴らしいものです。提示部最後のカデンツァもきれいです。展開部のヴァイオリンの力強い演奏、ファゴットとの対話もきれいです。2つ目のカデンツァは圧倒で素晴らしい響きです。この演奏は力強さと重厚さもある素晴らしい名演です。

 「七重奏曲変ホ長調」は第1楽章の序奏の響きには厚みがあります。カヴァコスのヴァイオリンがきれいに響きます。主部のクラリネットとヴァイオリンの演奏が素晴らしいです。展開部のホルンのソロもやわらかな響きがきれいです。クラリネット、ファゴットとホルンの和音がよい響きです。後半の演奏も厚い響きで素晴らしいです。ホルンも良い響きです。第2楽章「アダージョ・カンタービレ」はクラリネットのきれいな主題に始まりヴァイオリンに受け継がれます。ファゴットとホルンのソロもあります。ホルンの哀愁的な歌がきれいです。ヴァイオリンのソロもきれいです。第3楽章「メヌエット」は親しみやすい主題に始まります。ヴァイオリンで始まり、木管に受け継がれていきます。トリオにはホルンの鮮やかなソロがあります。楽しそうです。第4章の主題と変奏は軽快な主題が大変きれいです。続く変奏は弦楽のスタッカートが生き生きしています。チェロもきれいです。ヴァイオリンや木管楽器の変奏が楽しそうに聞こえます。ホルンの変奏も良い響きです。第5楽章「スケルツォ」はホルンで始まります。このホルンがリードするところが楽しいです。ヴァイオリンの細かいフレーズもきれいです。トリオではチェロが優雅に歌います。きれいな演奏です。第6楽章は序奏でホルンが哀愁的な主題を吹いています。ヴァイオリンが続きます。プレストからは息の合った見事なアンサンブルを聞かせます。ホルンも良い響きです。ヴァイオリンが主題を提示します。木管やホルンの響きが印象的です。後半にヴァイオリンのカデンツァが入ります。良い演奏です

 6つの民謡主題と変奏曲はヴァイオリン伴奏のピアノ曲です。第3番「シュルッセルとラインドル」はオーストリア民謡です。
 10の民謡主題と変奏曲もヴァイオリン伴奏のピアノ曲です。第1番「私はチロルブアです」はオーストリア民謡。第2番「すこやかな若者、ハイランドの若者」はスコットランド民謡。第6番「ペギーの娘さん」はアイルランド民謡。第7番「美しいミンカ」はロシア民謡です。エンリコ・パーチェのピアノとカヴァコスのヴァイオリンできれいな演奏が聴かれます。


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