ブラームス/ヴァイオリン協奏曲の演奏

アウグスティン・ハーデリッヒ(2017)
CD(WANER CLASSICS 01902955 10459)

1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
     (カデンツァ:ハーデリッヒ)
2.リゲティ/ヴァイオリン協奏曲(1990/92改訂)
     (カデンツァ;トーマス・アデス)

 アウグスティン・ハーデリッヒ(ヴァイオリン)
 ミゲル・アルト=ベドヤ指揮
  ノルウェー放送管弦楽団
 録音 2017年5月30日〜6月2日(1)
     2018年9月3〜7日(2)

 アウグスティン・ハーデリッヒはイタリア生まれでドイツ人のヴァイオリニストです。ウト・ウーギ等に師事しています。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲はオーケストラの前奏のあとにハーデリッヒの繊細なヴァイオリンが流れます。女性的といえるほど美しい響きのヴァイオリンです。ノルウェーのオーケストラが作り出す美しい響きは魅力的です。カデンツァはハーデリッヒ自身のもので、これもまた見事な演奏です。第2楽章はオーボエのソロ、そしてヴァイオリンとホルンの対話が大変いれいです。ハーディリッヒのヴァイオリンは表現力が豊かで素晴らしい演奏です。第3楽章は緊張感のあるヴァイオリンと重厚なオーケストラの響きが見事です。ハーデリッヒのブラームスは聴くほどに素晴らしいと思います。
 リゲティのヴァイオリン協奏曲は1990年に作曲され、その時は3つの楽章でしたが、1992年に改訂されて5つの楽章になりました。どちらもサシュコ・ガブリロフが初演しています。小編成のオーケストラですが、多くの打楽器が使われています。第1楽章はヴァイオリン・ソロに始まり弦楽が入ると思ったらマリンバなどの打楽器が聞こえてきます。面白い響きの協奏曲です。第2楽章もヴァイオリン・ソロに始まります。オーケストラの管楽器と弦楽のピツィカートが面白い響きです。第3楽章は短い間奏曲です。ヴァイオリン・ソロとオーケストラの響きが聴きどころです。難しいソロです。第4楽章はパッサカリア、静かに始まります。やがて強烈な印象を受ける部分にきます。リゲティの作品らしい響きになります。第5楽章はアパッショナート、ここは強烈なヴァイオリンと打楽器がにぎやかです。後半にカデンツァが入ります。これはトーマス・アデスの書いたものです。この作品でハーデリッヒのテクニックの素晴らしさがわかります。素晴らしい演奏です。


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