ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲の演奏

前橋 汀子(2021)
CD(Sony Music SICC 19061)

 ベートーヴェン/協奏作品集
1.ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op61
  (カデンツァ:クライスラー)
2.ロマンス第2番ヘ長調Op50

 前橋 汀子(ヴァイオリン)
 秋山 和慶指揮
  オーケストラ・アンサンブル金沢
  録音 2021年11月24日ライヴ
  石川県立音楽堂

 前橋汀子のベートーヴェンです。彼女の演奏活動60周年を記念して演奏、録音したものです。秋山和慶指揮のオーケストラ・アンサンブル金沢との共演です。
 ヴァイオリン協奏曲は程よいテンポで歌う演奏でヴァイオリンの美音をたっぷり楽しませてくれます。前橋のヴァイオリンは透明感があり、美しい音色です。ホールに響き渡るヴァイオリンが素晴らしいものです。そしてオーケストラも素晴らしい演奏です。展開部の緊張感もいいです。再現部へのオーケストラの厚い響きも素晴らしいです。カデンツァはクライスラーのものです。力強い演奏でホール一杯に響きます。実に素晴らしい演奏です。第2楽章のラルゲットはホルンの響きと共に美しいヴァイオリンが奏でられます。優雅な響きでファゴットとの絡みも聴きどころです。美しさあふれる演奏です。コーダのホルンとの掛け合いもきれいです。第3楽章の演奏もよいテンポです。オーケストラと共にヴァイオリンがよく響きます。重音もきれいです。ここでもファゴットとの二重奏が素晴らしいものです。カデンツァはここでも豊かな響きを聴かせてくれます。見事な演奏です。そしてオーケストラの整然とした素晴らしい演奏も見事なものです。
 ロマンス第2番は「ヘ調のロマンス」として知られた名曲です。この美しいロマンスを前橋が演奏すると冒頭から大変美しいヴァイオリンが響きます。中間部のすすり泣くようなヴァイオリンがまた素晴らしい演奏です。こちらも大変よい演奏です。


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